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設定とか12

11月も中旬なので、ウェブ拍手のお礼SSを更新しました。

めっきり寒くなってきたので、心温まるものが書きたいです。
とか言いながらカラオケシリーズ書くと……おや?


というわけで昔上げてた奴のまとめ。








『1.カラオケシリーズ04
   なんてったってアイドルだと思うよ』


「あなただけ見つめてる~。
 出会った日から今でもずっと」


 香霖堂に歌声が響く。
 すっかり最近ではおなじみとなった光景だ。

 幽々子は楽しそうに口ずさみながら、香霖堂の商品棚を物色していた。
 手に取っているのはCDやMDだ。
 使い方のわからない霖之助にとって無用の長物でしかないが、最近よく紫や幽々子が買っていく。


「あなたさえそばにいれば……
 他に何もいらない」


 彼女の歌は何か惹き付けられるものがあった。
 何となくその様子を眺めていた霖之助と、幽々子の視線がぶつかる。

 いつの間にか見つめていた気恥ずかしさを隠すように、霖之助は声を上げる。


「君にそこまで想われたなら、相手は幸せだろうね」
「あらそう?
 褒めたって浄水器は買わないわよー」
「素直な感想だよ。
 ……そもそも、浄水器を売りつけるつもりはないね」
「じゃあ他のものなら売りつけたのかしら」
「……やれやれ。
 店主として信頼がないのかね、僕は」


 霖之助は心外そうに、しかし残念そうにため息を吐いた。
 幽々子はその様子を見てますます笑みを深める。

 ……まったく、彼女もあの少女も、こちらの考えをすべて見透かされている気がするから困る。


「この前神社でカラオケをしたのよ」
「ほう? 霊夢たちとかい?」
「ええ。鬼も吸血鬼もいたからつい。
 でもさすがに知らない歌を歌うのは難しいようねぇ」
「それは……そうだろうね」
「だからこうやって、歌を広めようとしてるの」


 そう言って幽々子は手の中のCDを広げた。

 ……再生機器はどうするというのだろう。
 カラオケ教室でも開くのだろうか。


「今度大会でも開催しようかしら。
 夜雀や騒霊も呼んで……うふふ。
 生バンド付きのカラオケなんていいわよねぇ」


 聞かれたところで答えようはないのだが。
 幽々子はひとり満足そうに頷くと、物色を再開した。

 霖之助も手元の本に視線を落とす。

 BGMは幽々子の歌声。
 なかなか悪くない時間だった。


「髪も服も目立たなく。
 お料理も頑張るから、
 パーティには行きたいな」


 ふと、視線を感じて霖之助は顔を上げる。
 今度は幽々子が霖之助を見つめていた。
 先ほどとは逆の構図だった。


「嫌悪がってたあの娘とも絶交したわ」


 彼女は笑みを浮かべていた。
 底知れぬ、冥い笑顔。


「あなただけ見つめてる。
 昔みたいに笑わなくなった」


 ぞくり、と霖之助の背中を冷たいものが滑り落ちる。


「……幽々子、まさか……」
「あら、なにかしら。霖之助さん?」


 何を言うべきか、自分でも考えがまとまらない。
 口の中が乾いていた。


「霖之助さん、いるかしら?
 あら、幽々子じゃない」


 にゅ、と顔を出した妖怪の賢者に、思わず霖之助は安堵のため息を漏らす。


「……いらっしゃい、紫」
「霖之助さんがそんなこと言うなんて……どうなってるの、幽々子」
「うふふ。さぁ?」




『2.スレに上がってたネタ。
   烏霖の時代は来るのだろうか』


 一介の烏だった私は、主と出会った瞬間、彼女の道具になった。
 妖怪の主従関係というのはそういうものである。


 主は烏天狗をやっている。
 長く生きた烏がなるらしいが、とても私と同じ種族だったとは思えない。

 まずひとつめ。黒くない。
 黒いのは部分的だけである。実におかしい。

 次に、光り物より事件の方が好きらしい。
 変わった趣味をしている。

 最後に、姿形が人間っぽい。
 まあこれは些細な問題だろうか。
 羽が生えてれば問題ない。


 とまあそんなことはともかく、最近主人の様子がおかしい。


 幻想郷中を駆け回るのが記者の役目という割に、一所に留まることが多くなった。
 香霖堂とかいう胡散臭い店だ。
 余程重要な事件がたびたび起こっているのだろう。

 事実、この店から帰ったあとの主人は嬉々として机に向かっていることが多い。
 ただどうも原稿ではなく日記ばかり書いているような気もするが、あいにくと良く覚えていない。

 とにかく問題はこの香霖堂なのだ。

 ここに近づくと普段強気の主人も急に弱気になる。
 毎回扉を開ける前に深呼吸をして気合いを入れていた。
 たまに第一声の練習までしているほどだ。

 すべては、そうすべてはあの店主と呼ばれる男を倒すために違いない。
 余程の難敵なのだろう。
 ただの烏である私にもよくわかる。
 あのメガネは反則だ。
 たまにキラリと光るせいで気になって仕方がない。
 あれでは主人が負け続けなのもうなずける。


 どうやら主人はメガネの誘惑に負けず、彼を論破することを目下の目標にしているようだ。
 日記に彼と話した時間が書いてあったから間違いないだろう。

 しかしあいにくあの男は主人の天敵らしい。
 主人は負け続け、毎回敗退している。
 勝ったら縄張りを奪うのが勝者の証なのだから。
 ついでにその暁にはあのメガネも奪うに違いない。心が躍る。

 それにしても、天敵からは逃げるのが動物の理だというのに、どうして毎回向かっていくのだろう。
 烏天狗ともなるとそうなるのだろうか。
 あと、敗退するとき主人が嬉しそうなのはなぜだろう。


 と、ここまでは主のおかしい理由の半分。
 おかしいと言ってもこちらの目標ははっきりしている。
 いつかあそこに主人が住むことになったら、勝ったということなのだろう。

 私の考えに間違いはない。



 問題はもう半分だ。

 同じく舞台は香霖堂。
 胡散臭い上に乳臭い店。

 そう、他の客である。

 烏天狗の縄張り争いともなるとああまで恐ろしいものなのだろうか。

 白黒、紅白とのやりとりは火花散る有様である。
 あの店主が気付かないのか不思議でならない。
 野生を忘れてしまったのだろう。

 しかし主がおかしいのはそこではない。
 真の敵はもっと別のところにいることにどうして気が付かないのか。

 私は見た。
 屋根裏に済む妖精と、朱鷺のような妖……(烏の報告はここで途切れている




『3.最近ゆうかりんが話題のようです』


「相手を食べることって、究極の愛の形だと思わない?」
「僕としては、距離を置いて愛でる方を推奨したいね」


 大妖怪の嘗め回すような視線に、霖之助は居心地悪そうに身じろぎをした。
 本越しに感じるそれは、表現できない感情を含んだものだ。


「結構仕込むのに時間がかかるのよ。
 でも、上手く出来たときの味は格別よね」
「あまり味を覚えると、別れが辛くなると思うのだが」


 霖之助の控えめな声に、しかし幽香は首を振る。


「平気よ。
 だって食用は食用だもの」


 つまり割り切った関係ということか。
 最近増えているらしい。

 ……もしかすると、食べられる方も割り切っているのかもしれないな。

 そんなことを考える。


「ねえ、霖之助。
 そろそろいい時間だと思わない?」
「そこまで言われたら、僕も応えることに吝かではないね」


 パタン、と読んでいた本を閉じた。
 視線を上げ、腰を上げる。


「……紅茶でいいのかい?」
「ええ。スコーンもよろしく」
「そんな洒落たものはうちにはないよ」
「気の効かない店ねぇ」


 幽香はカウンターに肘を乗せ、懐からビンを取り出した。

 色とりどりのビンが並ぶ。
 花びらから作ったジャムらしい。

 最近幽香が作り始めてハマっているらしかった。
 ことあるごとに、こうやって持ってきてはお茶を要求される。


「……クラッカーならあった」
「仕方ないわね。
 それで我慢するとしましょうか」
「我慢なんて言葉が君ほど似合わない妖怪も珍しいな」
「じゃあ我慢せず、全部私が食べちゃおうかしら」
「……半分は僕のだよ」


 言いながら、霖之助はふたり分の紅茶を注ぐ。
 その間に、幽香はクラッカーと皿を並び終えていた。

 数種類のジャムの入った小皿を、甘い順に。
 霖之助に近い方が甘さ控えめのジャムだ。


「たまにフェイントがあるから油断ならないな」
「自分で作っても忘れることってあるわよね」
「……絶対わざとだろう」


 どうかしら、と首を傾げる幽香に、霖之助はため息を漏らす。

 ものの数分でお茶の準備は整った。


「あ、そうそう」


 紅茶の湯気の向こうで、幽香が微笑んだ。

 小指で少し、ジャムをすくう。
 一番甘い、桃色のジャム。


「やっぱり私に、我慢って似合わないわよね」


 すっと、幽香の小指が霖之助の唇に触れた。


「ほんと、食べちゃおうかしら。
 きっと、甘露っていうこうものを言うのよね」




『4.『お弁当にたっぷりの』の続きかもしれないミス霖。
    諸行無常は噛みしめるものだって聖さんが言ってた』


 ひょんなことから始めたミスティアと霖之助の弁当屋。
 味がいいこともあって、予想以上に好調な売れ行きを見せていた。

 好調と言っても予定した数の弁当がだいたい売り切れる、といった程度ではあるが。
 それでも確実に固定客を掴み、わずかだが香霖堂の客にもちらほらと新顔が見えるようになっていた。

 ここまではまず成功と言える。

 そして顔の見える固定客……冷やかすだけの常連ではなく、
お客がいるとなるとやはり商売人として張り切らなければならない。

 そう、あくまで商売人としての責務であり義務なのだ。
 間違っても嬉々としてやってるわけではない。


「ここのお弁当に隠しメニューがあると聞いて飛んできました!」
「君はいつも飛んでいるだろう。
 それより埃が舞うから落ち着きなさい」
「埃が舞うのは私のせいじゃないですよ。
 というか、それは食品を扱う店として決定的に問題じゃないですか?」
「大丈夫ですよ。埃っぽいのは古道具のある場所だけですから」


 ミスティアが胸を張って答えた。
 こまめに掃除しているのだろう。

 その様子に文は複雑そうな表情を浮かべ……やがて気を取り直したかのように向き直る。


「……まあ、それはいいです。
 ところで隠しメニューですよ隠しメニュー。
 この常連たる新聞記者に教えないとは大問題じゃないですか?」
「確かに君は常連だけどね」


 霖之助は文をじっと見……首を振った。


「ちょっと今の反応、なんですか!?」
「えっとその、あまり文さん向けのお弁当ではないので……」
「どういうことです?」


 思わず霖之助に詰め寄る文。
 しかしそこに割り込むように、瀟洒な声が聞こえてきた。


「あら、今日はずいぶんと騒がしいのね」
「あ、咲夜さん。いらっしゃい」
「……珍しいですね。紅魔館のメイドがこんなところまで来るなんて」
「そんなことないわよ。だって私、毎日買い物に来てるもの」
「毎日ですか?」


 訝しんだ文がミスティアに視線を移す。
 その視線に、彼女は苦笑気味に頷いた。

 当の霖之助はと言うと、咲夜になにやら包みを渡している。


「ほら、あれですよ例のお弁当は」
「ふむふむ。お弁当をふたつ買うメイド……と。
 それは貴女が食べるんですか?
 よく太りませんね、人間なのに」
「まさか。これはお嬢様と妹様の分ですわ」


 ますます文は混乱してきた。
 だいたいどうして、吸血鬼が普通のお弁当を食べるのか。


「あのお弁当、絵が描いてあるんですよ」
「絵が? 器にですか?」
「ああいえ、実際の絵ではなく、食材を使って……というか」


 ミスティアの説明に、文は何となく想像できる気がした。
 和食の技術に野菜を使って花を作るようなものがある。
 それとにたようなものだろう、と。


「最近早起きして何かしてると思ったら。こんなことを練習してたんですよ」
「こんなこととはなんだい。
 これはキャラ弁と言ってね、外の世界で流行っているらしい」


 霖之助は自信たっぷりに答えた。
 外の世界の流行と聞いては黙っていられなかったのだろう。


「それで、真似してみたんですか?」
「ああ。試しに咲夜に食べて貰ったんだが、紅魔館の主の目にとまったらしいね。
 それ以来、彼女たち用に作っているというわけだよ」
「可愛いお弁当が食べれば無くなってしまう。
 それによって妹様の情操教育をするんだってお嬢様が。
 あ、お嬢様はあくまで妹様の付き合いで買っているだけだって言っておいてお願い咲夜って言ってましたよ。
 あと次の柄はわんちゃんがいいそうです」
「それはそのまま伝えたらマズいんじゃないでしょうか。カリスマ的に」


 あまりにも自由な咲夜の発言に、文は冷や汗を垂らした。
 もちろんしっかりと文花帖に書き込んだのだが。


「ただどうしても作るのに時間がかかるからね。
 常連の分を作るのが精一杯さ」
「なるほど、それが秘密のメニューのからくりですか……」


 文は納得したように頷いた。
 そしていつものカメラを構える。


「だいたいわかりました。
 と言うわけで、記念に写真を」
「ダメだ」


 きっぱりと首を振る霖之助。
 そのいつにない断固とした様子に、文は首を傾げた。


「キャラ弁は消え去るからこそ美しいんだよ。
 だから写真はお断りさ」
「……だから言ったじゃないですか。
 文さん向きのお弁当じゃないって」




『5.図書館にある普通に読める本は外の世界の本だと求聞史紀に書いてあったので』


 ぱらり、とページをめくる音が図書館に響く。

 本と静寂に包まれた空間。
 なんと素晴らしい場所だろう、と霖之助は思う。


 数が増え、香霖堂に置けなくなった外の世界の本は、この図書館で引き取って貰っていた 。
 店の空間は有限だが、ここは無限に等しい。
 すぐに読めないのは惜しいが、いつでも来ていいことになっているので霖之助にとってかなりありがたい話だった。


 ふと、対面に座る魔女を見る。


 頬杖を突くのは行儀が悪いと言われるが、しかし絵になるのも事実だ。
 紫色の魔女は本に目を落としたまま、静かに。

 まるで瞑想しているかのような一時。

 やがてかすかに彼女の身体が揺れる。
 そのまま彼女は姿勢を崩し……本の上に突っ伏した。


 ……どうやらいつの間にか寝ていたらしい。器用なことだ。
 そういえば、少し前からページをめくっていなかった気がする。


「パチュリー?」


 呼びかけてみるが、返事がない。
 疲れていたのだろうか。

 図書館を飛び回っているはずの小悪魔の姿も今は見えない。


「……やれやれ」


 霖之助は思わず苦笑を浮かべた。
 魔女とは言え疲れていたのだろう。

 幸い、仮眠室の位置は聞いてある。


「ちょっと失礼するよ」


 霖之助はパチュリーに近づくと、彼女の腰に手を回し……。

 ふわり、と甘い匂いが鼻孔をくすぐった。
 考えていたより遙かに彼女は軽く、柔らかい。

 普段彼に飛びついてくる少女たちとは違った少女の身体に、霖之助は




『欠番.さとり→お空の次はさとり→お燐の病みネタということで』


「うにゅ~、さとりさまぁぁ~」
「あら、何があったの?」
「さとりさまぁぁぁぁぁ」
「……落ち着きなさいお空。思考が読めないわ」
「うぅ、ぐすっ、お燐がぁ……」
「……そう、最近帰ってきてないのね。
 次の獲物を見つけたって?」
「そうなんです。でも、でも……」
「獲物の死体を持ってくるまで帰らない……ね。
 でも相手は人妖? 帰るのは何百後かしら」
「お燐、私のこと嫌いになっちゃったのかなぁ」
「そんなことはないわよ、お空。
 お燐ならすぐに帰ってきてくれるわ。
 ……すぐにね」
「ほんと? ほんとに?」
「ええ。私が嘘ついたことあったかしら」
「……おぼえてません」
「……まあいいけど。
 それにね。帰ってこないなら会いに行けばいいのよ」
「そっかぁ。さすがさとりさま!」
「じゃあ、会いに行くならこれ持って行ってくれるかしら」
「うにゅ、これなーに?」
「お燐の大好きなハンバーグよ。
 タ……ギがたっぷり入ってるわ」
「にゅ? よくわかんないけどわかりました~。
 さとり様の手作り料理、お燐と一緒に食べますね!」
「ええ、行ってらっしゃい。お燐によろしくね」


「ここは旧地獄だもの。亡霊のひとつよこして貰うことくらいわけないわ……」

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No title

道草さんのおかげでヤンデレに目覚めちゃったじゃないですか、どうしてくれるんですか。



ところでヴァーミリオン2は何使いですか?
自分は不死、ゴルベーザ無し。・・・・・・じぇんじぇん勝てない・・・。

キャラ弁の話、霖之助さんが聖お兄さんのブッダみたいww
プロフィール

道草

Author:道草
霖之助がメインのSSサイト。
フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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