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ロボットものとか

たまに変わったものを書きたくなってしまって困る。
ロボットものと言えばブレイクエイジ。
一発ネタということでひとつ。

神奈子様と言えばツインタワー的にヤクトだよねと思ったがそこまで行かなかったよ。









「ほら霖之助、はやくはやくー!」
「早く見せたいという気持ちはありがたいけどね。
 そんなに急がなくても、逃げやしないだろう」
「それはそうだけどー」


 霖之助より少し先を歩きながら、待ちきれないと言った様子で少女は振り返る。
 その視線を苦笑混じりで返しながら、妖怪の山を登っていく。

 空を飛べれば早いのだろうが、あいにく霖之助にその能力はない。
 その代わり飛んでいては見られない景色を楽しむことが出来る。

 ……と話したところ、魔理沙に負け惜しみだと言われたことがあった。


「……で、一体何を作ったんだい、にとり」
「んー、そうだね、そろそろいいかな」


 ここに来るまで何度目かの質問に、にとりはようやく答える気になったようだ。
 目的地……神社が近いせいだろうか。


「この前山の神様が核施設を作ってさ。
 いろいろ出来るようになったんだけど」


 確かにその話は聞いている。
 と言っても、蒸気で風船を動かしたり、わりと変な目的ばかりに使われている気がするが。


「私いつも思ってるんだよ。
 霖之助ともっと遊びたいなって」
「遊ぶと言っても、弾幕ごっこは少女の楽しみだからね。
 僕がその中に混ざるわけにもいかないよ」
「だからさ。
 弾幕ごっこじゃなくて、別の遊びにしようと思ったんだ」


 ようやくふたりは神社に到着した。
 にとりはそのまま、裏手の方に霖之助を案内する。

 すると、視界に妙なものが飛び込んできた。
 一言で言うなら、筺……だろうか。


「立場、体力、妖力に関わらず対等に遊べる遊び。
 そこで考えたのさ。
 それならいっそ、現実世界じゃなく仮想世界でやればいいやってね」


 金属を組み合わせて出来たそれは、小屋ほどの大きさがあった。
 入り口らしき蓋がひとつだけ開いており、中はごく小さな部屋になっているようだ。

 そこでにとりは、胸を張って振り返る。


「どうだい霖之助。
 これが私たちが開発した……いわゆる体感ゲームってやつだよ」









 にとりが体感ゲームと言った設備からは、何本ものコードがそこかしこに伸びていた。
 中でも一番太いのは、地中へと続く管。
 きっとあそこから動力を供給しているのだろう。

 他のかっぱの少女たちが、映し出された数値を見てなにやら作業している。
 にとりの友人たちだろう。
 何度か会ったことがある。


「ありゃー、やっぱりもう始まってるみたいだね」


 責任者らしい少女に何事か尋ねていたにとりが、頭をかきながら戻ってきた。


「ま、いいや。
 とりあえずやろうよ、霖之助」
「説明はないのかい?」
「そんなのあとあと。
 ほら入った入った」


 にとりに促されるまま、霖之助は金属の筺の中へと足を踏み入れる。
 外から見たとおり、小さい部屋だ。
 中央に大きな椅子があり、壁一面に様々なものが並んでいた。
 一目見ただけではとても理解できそうにない。


「そんなところで立ち止まらないでよ。
 霖之助の席はそこだよ」
「ん?」


 霖之助を奥に押し込むように、続けてにとりが入ってきた。
 それを確認したのか、部屋の入り口が閉まる。

 周囲がぼんやりとした光で照らし出された。
 機械的な光だ。


「……複座だったのか」
「そうだよ。
 ひとり用にしようか迷ったんだけど。
 操作系は単純化したほうがわかりやすいと思って」


 言って、にとりは上の方にある座席に腰掛けた。
 霖之助も言われたとおり、下部にある椅子に座る。

 すると、正面の平面に景色が映し出された。
 仮想空間、というやつだろうか。
 なかなかリアルだ。


「一言で言うと、ロボットを操縦するゲームさ。
 仮想世界だけどね」
「ロボット? いつかの風船みたいなものかい?
 それとも……」
「外の世界の漫画に出てくるようなもの、だよ。
 って霖之助、あんまりこっち向かないでよね」


 にとりは恥ずかしそうにスカートを押さえ、顔を赤らめた。


「不可抗力だ。
 と言うか君と僕の位置関係上……」
「うん、わかったから前向いて。お願い。
 ……椅子の設計間違えたかな……。
 とにかく、その辺はスポンサーというか、山の神の強い要望でね……」


 にとりが何か操作すると、平面の光景が切り替わった。
 操作説明だろうか。
 映し出されているのは、霖之助の手元にあるレバー類の解説のようだった。


「誰にでも出来るようにさ、操作方法自体は簡単なんだよ。
 ひとりが移動で、もうひとりが照準と分担することにしたんだ。
 その代わり、息が合ってないとろくに当たらなくなったけど」


 なるほど、狙ってる最中に予想外の方向に動かれたら元も子もないというわけか。
 ただ、照準なら照準、移動は移動で集中できるのは楽かもしれない。


「そのボタンを押せば役割の交代も出来るけど。
 とりあえず今回は私が移動を担当するね」


 言って、にとりは壁に掛かった冊子を指さした。


「マニュアルはそれ。気が向いたときに開くといいよ。
 動かしながら操作説明するけどいいかな?」
「ああ、構わないよ」


 じゃあ早速、とにとりは操作を続ける。
 目の前の平面……ゲーム画面に、ずらりとロボットが映し出された。

 機体を選択してください、と表示されている。


「どこかで見た姿が多いな」
「うん、霖之助の店にある本とかを参考にしたんだ。
 と言っても忠実に再現はしてなくて、それぞれ能力とか武器が違うくらいだけど」


 サイズとかは一緒なんだよね、とにとりが呟く。
 ライフ制で部位破壊などもないらしい。

 ただし頭を撃たれたら大ダメージだそうだ。
 ロボットいえど、かっぱ的にそこは譲れないのだろう。


「なるほど、それぞれに特殊能力があるんだな」
「うん。
 ……まあ、まだまだ開発中なのも多いんだけどね。
 武器の威力もそれなりだよ。バランスってものがあるからさ」


 蜃気楼、スペシネフ、ロードビヤーキー、SSIクバルカン……と次々に機体を表示させていく。
 説明らしき文字を読んでいくと、霖之助はひとつの機体に目をとめた。


「ふむ、これにしよう」
「んー、もっと初心者向けなのがあると思うんだけど」
「いや、これがいいんだ」


 ブリッツ……電撃の意味を持つそれに、霖之助は大きく頷いた。
 機体を決定すると、表示されている景色に変化が訪れる。

 ……なるほど、確かに書籍で読んだロボットのコックピットのような感じだ。


「見ての通り、攻撃ボタンはふたつしかないからね。
 距離ごとに最適なのを勝手に判断してくれるはずだよ」
「あとのボタンは、特殊能力用かな」
「うん、そういうこと。
 よく知ってるね」
「さっき映ってたからね」


 話ながら、霖之助は一通りボタンの操作を確認する。
 同時に周囲を確認。


「今やってるのはバトルロイヤルモードだね。
 周り全部敵だから、気をつけてよ」


 幸いなことに、近くに敵の姿はないようだ。


「で、どうしよう。
 霖之助の言うとおりに動くよ」
「そうだな。じゃあ最初は……」


 霖之助は表示されている一点を指差した。


「そこの岩陰に隠れてくれないか」







「……ねえ、霖之助ぇ~。
 まだ隠れてるの~?」
「ああ。この機体の能力は静止中発見されにくい、だからね。
 有効活用しないと。
 しかし随分素晴らしい遊び道具だな、これは。
 マニュアルも読み応えがあるし」


 霖之助は分厚いマニュアルに目を落としたまま、にとりにそう返した。


「楽しんでくれてるのはいいけどさー。
 もっと真っ当な楽しみ方をしようよ」
「これでも十分真っ当だと思うんだがね。
 今のモードはバトルロイヤルなんだろう?
 じゃあやられないのが一番の勝利への近道じゃないか」
「それはそうだけど……最出撃だって出来るのに」


 にとりはなにやら複雑そうな表情を浮かべていたが、霖之助の位置からでは見ることが出来ない。
 それでも楽しんでいるのならいいかと考え直し、彼女はひとつ笑顔を浮かべた。


「そういえば私、この戦いが終わったら霖之助と酒を呑もうと思うんだ」
「ふむ? なるほど、いい考えだね」


 彼女と語り合いたいことはいくらでもある。
 今日もまた、そのひとつが増えたところだ。


「お酒も買ってあるんだ。
 あとは……」


 瞬間、画面の端が瞬いた気がした。
 同時に響く、にとりの声。


「あっ、危ない!」


 霖之助たちの機体をかすめるように、光の帯が岩に穴を穿つ。

 どういう原理か、衝撃を再現するように部屋が揺れていた。
 体感ゲーム、という所以だろう。

 回避したのか外したのか、どちらかはわからなかったが……。
 犯人は、すぐに判明した。


「よう、生きてるか、香霖」


 モニターの隅に小さく枠取られ、魔理沙の顔が表示される。


「ずいぶんな挨拶だね、魔理沙」
「これは相手を倒すゲームだからな。
 香霖だからって手加減はしないぜ」
「ちょっと魔理沙、ちゃんとデータ取ることも忘れないでよね」


 魔理沙の横に現れたのは、図書館の主……パチュリーだった。


「君もいたのか、パチュリー」
「協力してくれって頼まれたのよ。
 断る理由もなかったし……」


 霖之助にも見覚えの無かった機体などは、彼女の蔵書から出ていたらしい。
 照準画面の端に、ヴァーチェと表示された。


「ぜんそく持ちの人でもプレイできるかのテストケースとして頼んだんだよ。
 ちなみに、さっきのマニュアルも描いてもらった」


 なるほど、通りで見たことのある書体だったはずだ。


「あんまり喋ってる暇はないぜ、香霖」


 その間にも、魔理沙は散発的に攻撃を仕掛けてくる。
 パチュリーが移動担当なのだろう。
 なかなか動きが読めない。


「どうせなら一緒に乗りたかったが……」


 魔理沙の呟きは、やがて歓喜の笑みへと変貌と遂げる。


「香霖とこうやって遊べるなら、悪くないぜ」
「ちょっと霖之助、ちゃんと狙って撃ってよ!」


 機体を操るにとりの声が響く。
 完全に回避は出来ていないらしく、いつの間にか機体の強度が低下していた。


「それともやっぱり、女の子を相手には遊べないのかしら」


 パチュリーが無表情に……だがどこか寂しそうな声で呟く。


「そんなことはない」


 しかし霖之助は、首を振った。


「せっかくにとりが用意してくれた遊び道具だ。
 それに道具のことで、僕が君たちに後れを取るわけにも行かないだろう?」


 改めて、照準をセットする。


「勝たせて貰うよ、魔理沙」
「そうこなくっちゃな!」

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非公開コメント

No title

なんと言う終わり方・・・これは悶えてしまう
汚いなさすが道草さんきたないw

No title

霖之助の勇気が世界を救うと信じて・・・!
バーチャロイドとかはともかくまさかモータヘッドの名前が見られるとは思ってませんでしたw

No title

スペシネフ・・・なつかしいな、でも個人的にはヴァイパー2とかマイザーΔが一番好きだったな。紙装甲的な意味と変形機構搭載とか。

変形機構は男のロマン。異論は認める。

スカートを押さえるにとり可愛いよにとり
>「よう、生きてるか、香霖」
まさかのエスコンネタだが魔理沙、それは撃墜フラグだw

にとりのセリフはかんっっぺきに死亡フラグですね
分かります(死んでないけどwww)

道草さんのバトルものは見た記憶があんまり無いから、どうなる?どうなる?って見てたら……旅館のpayチャンネルでなけなしのお金を出したけどオパーイが見える寸前に時間切れ……みたいな思いを味わうとは(怒(((゜д゜;)))怒(笑)

続編に期待します(^-^)/

>「よう、まだ生きてるか香霖」

このセリフでゼロのBGMが頭で流れたのは自分だけじゃないと信じたい

「撃てよ、臆病者」
プロフィール

道草

Author:道草
霖之助がメインのSSサイト。
フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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