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子悪魔シリーズ01-02

拍手SSの中からひとつずつ見るのも面倒なのでまとめ。








『子は鎹』の続きかもしれない。
 子悪魔シリーズ01』


「すまないが、この本の続きはどこにあるんだい?」
「それでしたら……あそこの棚ですよ。
 ちょっと高い場所にありますね」


 小悪魔が指さしたのは、霖之助の頭の上ほどにある
 見ると、確かに本の入る隙間が空いていた。

 読み終えた本の続きが読みたくなり、自分で探しに来たのだが場所がさっぱりわからなかった。
 彼女が偶然通りかかったのはまさに僥倖というやつだ。

 ここ紅魔館の本をすべて把握しているのは彼女たちくらいだろう。


「取ってきましょうか?」
「いや……あそこならなんとか届くだろう。
 よっと……」


 背伸びして爪先立ちすると、なんとか本棚に届きそうだった。
 まずは持っている本を戻して、それから続きを……。


「んふふー」
「……何をやっているんだい、君は」
「え? 何ってほら……ナニですよ」


 小悪魔は身動きの出来ない霖之助の下半身に手を伸ばす。
 手がズボンに侵入し、あっという間に指先が彼の中心へと侵入。
 突然の出来事にバランスを崩しそうになるが、後ろから抱きつくように彼女は霖之助の身体を支えた。


「お父様ったらせっかくの娘の好意を無下にしちゃうんですもの。
 ちょっと腹いせに、イタズラを少々」
「腹いせだからって君は……」
「あら、こんなのをお母様はくわえてたんですね。
 ……ちょっと楽しみかも」
「……小悪魔」


 霖之助はなんとか本を押し込むと、本棚から身体を離す。
 しかし小悪魔は流れるような動きで、ぴったりと彼から離れなかった。


「……その呼び方は、どうにかならないかい」
「あら、お父様こそ呼び方を変えてくれないの?」


 うって変わって悲しそうな声に、霖之助は思わずたじろぐ。


「どういうことだい。
 君の名……だと?」
「私、まだちゃんとした名前がないんですよ。
 どうしてだと思います?」


 召喚したものに名を与えるのは基本中の基本だ。
 パチュリーともあろう魔法使いがそれを知らないはずはない。

 だとするとわざとやっているのか、それとも……。


「お父様が認知してくれないから、ですよ。
 私はあなたに、名をつけて欲しいのに」


 言って小悪魔は、さらに身体を絡めてきた。
 熱を帯びた身体が密着し、背中に柔らかいものが押しつけられる。
 耳元には甘く狂おしいほどの甘い息。


「やめ……」
「そんなこと言って。ちゃんと反応しちゃってるくせに……」
「だいたい、こんなところでだな」
「こんなところですもの。誰も見ませんよ。
 ……それとも、パチュリー様にばれるのが怖いですか?」


 小悪魔は妖艶な笑みを浮かべていた。
 ……見なくてもわかる。


「ご心配なく、お父様」


 するすると衣擦れの音が響く。
 足下に投げ出された布に、霖之助は見覚えがあった。

 確か、小悪魔がはいていたスカートのはずで……。


「今私、パチュリー様と感覚をリンクしてますから。
 すぐに駆けつけてくれると思いますよ」





『子悪魔シリーズ02』


「パチュリー様ってものぐさですよね」


 本の整理をしながら、小悪魔がそう呟いた。


「そう思いません? お父様」
「その呼び方はやめてくれないか」
「あら……まだ認知してくれないんですね」


 霖之助はため息を吐きながら、読んでいた本から顔を上げる。
 紅魔館地下にある図書館は居心地のいい場所なのだが、過ごしやすいかと言われると首を傾げざるをえない。


「ものぐさね……」


 ふむ、と霖之助は昔を思い出してみた。
 彼女に出会ってからもう随分長い時間が経った気がする、


「いつも本を読んで勉強熱心じゃないか」
「動きたくないから好きなことだけしておきたいだけだと思います」


 霖之助の言葉に、小悪魔は首を振る。
 まさに一刀両断というやつだ。


「便利な道具をたまに開発してるじゃないか」
「楽をしたいだけだと思いますけど」
「それは立派なエネルギーだよ。
 外の世界もそうやって発展していったんだ」
「そーですかねぇ。
 パチュリー様もそうだとはとても……」
「パチュリーはあのレミリアからも頼りにされている。
 十分だと思うが」
「変人同士気が合うらしいですよ。
 あ、私が言ったって言わないで下さいね」


 霖之助から言わせれば十分小悪魔もその範疇だと思うのだが。
 ……それ以前に、パチュリーと気が合っている自分も変人なのだろうか、と首を傾げる。


「研究のために、召喚術を行使したね。
 君がその成果だ」
「雑用を任せる相手が欲しかっただけだと思いますけど。
 それにきっと、パチュリー様は霖之助さんと……」


 言いかけたところで、小悪魔は何か思い出したようだ。
 思い出し怒りか何かだろうか。


「そうそう、霖之助さんからも何か言ってやって下さいよ。
 汚した服や下着の洗濯なんて全部私に丸投げですよ。
 この前なんて机の角で下着を……」
「何を言っているのかしら」


 静かな声が、図書館に響いた。
 ぼそりと呟くようなそれは、不思議と耳に届く。


「……あ、パチュリー様。
 お元気そうで何よりですね」
「ええ。おかげさまで。
 ところでご丁寧に防音魔法を張ってたのはなぜかしらね。解除したけど」


 パチュリーは相変わらずの無表情だ。
 ……いや、やや頬が紅潮している気がする。


「霖之助。小悪魔借りていくわよ」
「ああ、好きにするといい」
「そ、そんなぁ。
 助けて下さいよお父様~」


 懇願する小悪魔に、しかし霖之助は首を振る。
 パチュリーは光で出来た鎖で、小悪魔をがんじがらめに縛り付けた。


「パチュリー様、ドメスティックバイオレンスですよ!
 そういうのは霖之助さんとベッドの上でやって下さい!
 あ、運動不足も解消出来て一石二鳥ですね」
「どうやったらその口を閉じられるのかしら。
 ……ああ、開発中の変身魔法があったわ」
「え? お母様ったらお父様と動物プレイを企んでただなんて……あっやめて、あああ。
 あああああ……あぁん」
「……まあ、あれだけ喋る元気があるなら大丈夫だな……」


 霖之助は遠ざかっていく声に苦笑を漏らしながら、読みかけの本に目を落とした。

 やはりこの図書館は居心地のいい場所だ、と思いながら。

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