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バレンタインSS01

海よりも深い事情もなく、バレンタインSSを書くことになりました。
20個以上。

既にその日なんて終わってるけど気にしない。
読むほうがどう思うかはさておき……w


霖之助 さとり









「ほんの気持ちだけど」
「ん? ……ああ、今日はバレンタインか」


 地霊殿の主……さとりの差し出した箱に、霖之助は驚いた表情を浮かべた。

 未知のアイテムの名称と用途がわかる程度の能力。
 箱の名前はバレンタインチョコレート。
 用途は食べるもの、だ。


「まさか君から貰えるとは思ってなかったよ」
「意外そうね」


 さとりは苦笑気味に微笑んだ。

 霖之助の考えていることは、覚妖怪である彼女には手に取るようにわかる。
 地下にもこの風習が広まっているとは思っていなかったのだろう。


「お空に聞いたのよ。
 お空は巫女から聞いたって言ってたわね。
 どっちの巫女かは……わからなかったけど」
「……なるほど、それなら合点がいった」
「感謝の心を伝えるイベントだもの。
 こういう機会じゃないと、なかなか言わないじゃない?」
「なるほど。
 そう言うことなら貰っておこう」


 仕方なく、といった様子の霖之助に、しかしさとりは笑顔を浮かべた。


「喜んでもらえて嬉しいわ。
 でも、お歳暮みたいなものっていう表現はひどいんじゃないかしら」
「……やれやれ。
 かなわないな、君には」


 彼女相手に隠しても仕方ない。

 お礼を言われて気分を害する者はいないだろう。
 それが好意なら、なおさらだ。


「そもそもチョコレートとは薬用や強壮用として飲まれていたものでね。
 原料となっているカカオは貨幣として流通していたこともあったらしい」
「ふぅん、人気だったのね」


 相槌を打ちながら、さとりは湯飲みに口をつけた。
 ちょっと渋めに入れてある。
 大方、他の誰からもチョコレートを貰ったせいだろう。


「そもそもバレンタインでチョコレートを贈る理由は……早苗に聞いてもよくわからなかったんだが」
「私もお空に聞いてもよくわからなかったわ」


 霖之助が上機嫌なのは、さとりからチョコを貰えたからなのかもしれない。
 それがわかっているのか、さとりも上機嫌で合いの手を入れる。


「ねぇ、霖之助さん」
「なんだい?」
「チョコレートで想いは伝わるのかしら」
「どうだろうね……。
 きっかけにはなると思うが」


 想いを伝えるだけならラブレターでも渡したほうが早いだろう。
 だが『そう言う日』に『そう言う物』を渡すこと自体、同じことなのかも知れない。


「……そうよね」
「君の今の肯定は、どこにかかっているんだい?」
「ふふ。秘密」


 言ってさとりは……空を見上げた。
 香霖堂の窓から見える空は、薄闇色に染まり始めている。


「そろそろ帰ろうかしら」
「おや、もうこんな時間か」


 時間が経つのは早いものだ。
 気が付けば、既に太陽は山陰に隠れようとしていた。

 妖怪たる彼女が妖怪の領分たる夜になったところで危険があるわけではないが、気分的なものがあるのだろう。


「そうよ。
 晩ご飯の準備もあるしね」
「喋る手間が省けて助かるよ……。
 君が作っているのかい?」
「作ったり作らなかったり、だけど」
「……なるほど」


 ということは、今日は作る日なのだろうか。


「違うけど。
 霖之助さんは晩ご飯、どうするの?」
「僕は必ず食べなければいけないというわけでもないからね。
 今日はこのチョコレートで……」


 言いながら、霖之助はさとりの持ってきたチョコレートの包みを開ける。

 中に入っているチョコを見て……動きを止めた。

 名称:本命チョコ。
 用途:想いを伝える。


「…………」
「あら、どうしたのかしら? 霖之助さん」


 さとりは霖之助に微笑んだ。

 覗き込むように、顔を近づける。
 ……心は読めているはずだ。


「いや……その……。
 帰るんじゃ、なかったのかい?」
「私がいると、食べにくいだろうと思って」
「そんなことは……ないが……」
「そう。じゃあもうしばらくいようかしら」


 だとしたら、霖之助がなにを考えているかもわかるはずだ。
 考えがまとまっていないことも、読めているはずなのだから。


「う~ん。
 やっぱり、チョコではきちんと伝わらないわね」


 そう言って、さとりは箱の中からチョコレートをひとかけら取りだした。

 自分の口にくわえ、もう一歩、近づく。


「ん……」
「む……」


 ふたりの影が重なる。

 しばしの沈黙。
 ……やがてさとりは口の周りについたチョコレートを舐め、霖之助の胸に手を添えた。


「ね、伝わった?
 私の……ほんの気持ち」

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ん?りんのすけが俺にさとりから貰ったチョコを直接口から貰えば………( ̄□ ̄;)!!さとりと間接キスじゃん……
行くしかねぇ!!
P.Sこれからはバレないように、りんのすけ、と表記します(笑)
by読む程度の能力

No title

うがー!


さとり爆死しろー!!

No title

甘ーーーい!(スピードワゴン風に)
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道草

Author:道草
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フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
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