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寸止めシリーズ

ネタを出したはいいが途中で止まるいつもの僕のパターン。

まあいつもの下書きですけど。


霖之助 ? 小町







「……はぁ」


 霖之助は盛大にため息を吐いた。


 ――最近、物事が上手くいかない。


 霊夢がお茶を奪いに来たり、魔理沙がツケを増やしたり、妖夢の社会勉強の相手をさせられたり……
 だけなら大したことではないのだが。

 どこからか話を聞いてきた天人が遊び場と勘違いしたり妖精がたむろしたりするようになってしまった。
 そのせいで余計に客が来ない。

 ……いや、元々客はいないのだが、
 余計に来なくなってしまった。


 ――最近、物事が上手くいかない。


 気分を落ち着けようと開いた本も、いまいち集中できずにいる。
 心の中を蝕むのは寂しさにも似た焦燥感。

 気が付くと、扉を凝視している自分に気づく。
 誰かを待っているとでも言うのか。
 それとも誰か来れば、この感覚も紛れるのだろうか。

 しかしこういうときに限って誰も来ない。
 霊夢や魔理沙でも来れば、暇つぶしにはなるのだが。


「……やれやれ」


 気分が乗らないが仕方がない。
 こういうときは一度読んだ本を読むに限る。

 目新しい情報はないものの新たな発見があるときもあるし、心が落ち着く。

 霖之助は本棚から外の世界の本を取り出した。
 非ノイマン型計算機の未来。
 何度も読んだその本を開き、文字をひたすら目で追う。


 ――最近、物事が上手くいかない。


 カランカラン。

 なにか音が鳴った気がしたが、顔をあげる気にもならなかった。
 何度も読んだ本だというのに、内容が頭に浮かばない。


「うわっ」


 突然何物かに後ろから抱き付かれた。
 そこでようやく、さっきの音は誰かが店内に入ってきたのだと気づく。

 慌てて確認しようとするが、ふくよかな感触に阻まれ振り返ることが出来ない。
 メガネを取られ、視界を手のひらで隠される。

 そして彼女は、もう片方の手で……頭を撫で始めた。

 聞こえてくるのは子守歌。
 聞き覚えのある声。

 またこんな子供扱いを、と反論しようとして……。
 霖之助はゆっくりと、意識が緩んでいくのを感じていた。





 ――思えば最近会うことができなかった。


 忙しいから、と彼女は言った。
 その理由もわかっている。

 上手くいかないと苛立ってたのは、単に彼女に会えなくて寂しかったのかもしれない。
 焦っていたのは、自分だけ置いていかれる、と思ったからかもしれない。

 ……最初から、対等ですらないのに。

 霖之助もそこそこ長く生きているが、所詮人間と比較してに過ぎない。
 彼女は……霖之助の何倍生きているのだろう。

 だから、たまにこうやって子供扱いされるのも……仕方ないことなのかもしれない。
 いつか追いついてみせる。
 そう決意して……もう何年になるだろう。





 目を開ける。
 いつの間にか寝室に運ばれているようだった。
 頭の下がやわらかいのは、膝枕をされているからだろう。

 彼女と視線が合う。
 ずっと寝顔を見ていたのだろうか。
 少し、気恥ずかしい。


「……おはよう、









と、ここまで書いてて相手を誰にする予定だったか忘れてしまったわけです。

1.すべてを見ていたゆかりん
2.会いに来た永琳
3,最近珍しく仕事をしていた小町
4.巨乳な映姫様
5.季節の変わり目で花の世話が忙しかった幽香
6.冥界の管理をしていた幽々子
7.宴会続きだった神奈子
8.新聞作りを頑張っていた文
9.








で、3番を選択した人がいた。
まあシチュエーションは変わりますけど。








 ため息を吐いた。

 無縁塚でひとり、道具を集める。
 外の世界の道具は魅力的だ。

 しかし最近どうも……張り合いがない。


 無縁塚に来れば必ず居た、彼女に会えないだけだというのに。


「どうしたんだい、霖の字。シケた面して」
「久し振りだね、小町。仕事の方は珍しく順調かい?」


 後ろからの声に、霖之助はゆっくりと振り返った。
 待ち望んだ……そう、会いたかった姿がそこにいるというのに、出てくるのは皮肉ばかり。
 全くもって上手くいかない。


「ああ、あたいは映姫様が忙しいときにしかサボらないからね」
「……うん?」


 小町の言葉に、霖之助は首を捻った。
 最近小町が忙しく仕事をしているのは知っている。

 彼女とは話が合い、すぐに親しくなった。
 似たもの同士だ、と感じた。

 その親しくなった彼女が仕事を頑張っている姿を見ると、なんというかこう……焦ってしまう。
 客の来ない香霖堂に帰ると余計にだ。


「わからないかな。あたいがサボってれば白黒付ける能力を使わずとも怒れるだろ。
 映姫様が忙しい時、それが何よりのストレス解消になるってことさ」


 なんと歪んだ上司愛だろうか。
 霖之助は思わず苦笑を漏らす。


「すると今、閻魔様は暇なのかい?」
「ああ、一時期と比べれば、不思議とね」


 そもそも小町がサボるから余計な仕事が増えて忙しくなるのではないだろうか
 ……そのあたり、彼女はわかっていないのだろう。

 それはともかく。


「優しいんだな」
「なんだ、今更気づいたのかい?」


 カラカラと笑う小町。


「いや……昔から気づいてたさ」


 呟く、が、彼女には聞こえてないだろう。


「それで、真面目に仕事している君がどうしてここに?」
「ああ、今日は特別さ。あまり霊も居ないし、それに……」


 小町はニッと唇の端を吊り上げる。


「霖の字があたいに会えなくて寂しがってやしないかと思ってね」
「……そんなことはない」
「やっぱり、来てみて正解だった」


 たまらない、と言った様子で小町は霖之助の頭を抱きかかえた。


「可愛いねぇ」
「……なんだと?」
「思ったままを言ったのさ」


 成人男性に対する評価としてそれはどうだろうか。
 彼女との年齢差を考えれば仕方がないことなのかもしれないが……。


「子供扱いはやめてくれ」
「あはは、そう言うところも可愛いよ」


 霖之助を胸に抱き寄せ、頭を撫でまくる小町。

 ……小町の身体に密着させられると身動きが取れなくなる。
 だからここは、あえて流れに身を任せるのもひとつの手段だ。
 どうせ言って聞く相手でもない。

 トクン、トクンと流れる振動に身を委ねながら、霖之助はしばしされるがままになる。


「霖の字、あたいさ……」
「…………」
「なんだ、寝ちまったのかい」


 小町は霖之助を抱いたまま、近くの木の根元に腰を下ろした。


「あたいさ、霖の字のこと……」


 呟きながら、ぷにぷにと彼の頬をつつく。
 やがてひとつ微笑むと、コホン、とひとつ咳払い。


「せっかくだ、子守歌でも歌ってやろうかね……」

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