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子悪魔シリーズ21

SAGさんの絵に許可貰ってSS付けてみました、という子悪魔シリーズ。
懐かしいったらないね!


霖之助 パチュリー 小悪魔









「何か面白いものはあったかしら?」
「その質問はナンセンスだね。僕が拾ってきたものに面白くないものはないよ」
「使い方もわからないのに?」
「使い方がわからないこそさ」


 霖之助は首を振り、テーブルの上に山と積まれた道具を見つめた。

 現在道具の鑑定中だ。
 最近、すっかり紅魔館が香霖堂出張所になっている気がする。

 と言っても、普通の道具を調べるだけなら香霖堂で事足りる。
 わざわざ紅魔館で鑑定を行っているのはちゃんとした理由があった。


「これ、使おうとすると道具と意識が入れ替わる呪いがかかってるわね。
 しばらくすると元に戻るみたいだけど」
「そうか、助かるよ。じゃあこっちに置いてくれ」


 霖之助も魔法が使えると言っても、やはり本職には敵わない。
 そこでパチュリーに協力してもらって道具鑑定をしているのだった。

 そうでなくても悪魔の館だ。
 多少の呪いなど、この館では押さえ込まれてしまう。


「あら、吸血鬼退治用の鞭なんかあったわ。
 レミィに見つかると怒られるわよ」
「ん? ああ、紛れ込んでいたかな。とは言えどうやらそれは贋作らしいんだけど……」


 喋りながら、作業を続けるふたり。
 もう何度目かになるそのやりとりは慣れたもので、山のように積まれていた道具も次々と片付けられていく。


「こっちの箱はこんなものね」
「ありがとう、ちょっと休憩にしようか。
 そうだ、パチュリー」
「何かしら」


 お茶を入れようとしていたパチュリーに、霖之助は手を差し出した。
 少し照れくさそうに頬をかく。


貴方が私にくれたもの


「お礼と言ってはなんだが、これを貰ってくれないかな」
「なにかしら。……ピアス?」
「ああ、ちょっと前に拾ったんだよ。物自体はいいものなんだが……何かしらの曰く付きみたいで。
 いろいろと調べてみたものの、何の効果かよくわからなくてね」
「ふぅん。キリンかしら、これ。でも逆さになってるわね」


 霖之助が持っているのは、逆さのキリンが描かれたピアスだった。
 見ようによっては、逆立ちしているようにも見える。


「霊夢曰く『嫌な感じがする』らしいんだが僕の眼でも装飾品としか鑑定できなくて。
 僕が思うにキリンは神獣『麒麟』と掛かっており、それが逆立ちしていることによってタロットカードの逆位置にも似た効果の逆転が……」
「ふぅん」


 霖之助の蘊蓄を聞いたり聞き流したりしながら、パチュリーはピアスをじっくりと観察した。

 彼の蘊蓄が一段落した頃、大きくため息を吐く。
 そして上目遣いに霖之助を見つめた。


「要するに、呪いがかかったままってことよね?」
「……だが、万一呪いのアイテムでも君なら大丈夫だろう?」
「つまり不良在庫を押し付けるってわけね。……ま、まぁ、くれるというのであれば貰ってあげるけど……」


 そう言って、パチュリーが手を伸ばした矢先。


「どうもありがとうございます、お父様」


 そのピアスを受け取ったのは、別の人物だった。


「いやあ、キリンのピアスは強敵でしたね」


 今までどこにいたのやら。
 かいてもいない汗を拭いながら、小悪魔がいい顔で笑う。


「……君にプレゼントするとは言ってないんだが」
「あらま、そんなこと言っちゃっていいんですか?
 この恩人に向かって、そんなこと言っちゃっていいんですか?」
「恩人?」


 何故2回言うのだろう。
 気になったが、そんなことより先にはっきりさせなければならないことがある。


「小悪魔、あまりおイタが過ぎると……」
「まあまあ、お父様から贈り物を貰って嬉しいけど素直になれないのはわかりますが、まず私の話を聞いて下さいよ」
「……いいわ、聞かせてもらおうじゃない」


 思わずスペルを唱えようとしたパチュリーだったが……。
 思い直したように深呼吸すると、小悪魔に向き直った。

 目が若干怖いのは、図星を指されたからだろうか。


「さっきお父様が言ったのは確かに本当ですよ」
「僕が言った……って、呪いの話かい?」
「そうです。このピアスにはばっちり呪いがかかってます」


 小悪魔は頷きながらピアスをつつく。
 彼女の手の中で、ふたつのピアスがゆらゆらと揺れた。


「で、お父様が見てもわからなかったのは呪いが発動してなかったからですよ。
 この呪いの発動条件は『男性から女性へプレゼントされること』なので。
 つまりお父様が拾っただけじゃ眠ったままだったってことですね」
「ふぅん……よくわかるね」
「悪魔ですから」


 胸を張る小悪魔に、霖之助は肩を竦めた。
 説得力があるような、ないような。


「それで、結局どんな呪いだったのかしら?」
「それはアレです。プレゼントしてきた男性のほうに別の彼女が出来るという」
「あなた、まさか……」
「僕じゃない。そんな目で見ないでくれ」


 パチュリーに睨まれ、首を振る霖之助。
 とばっちりもいいところである。

 ……これもひとつの呪いなのだろうか。


「というわけで、私が恩人と言う事になるんですよ!」
「まあ、そうかもしれないけど」


 そう言って、小悪魔はピアスをパチュリーに手渡した。
 女性から女性にプレゼントする分には問題無いらしい。


「でも本当なのかしら、その呪い」
「本当ですよ、だってほら、プレゼントを受け取った私から見て、大好きなお父様には既にお母様という彼女が……って、あー失敗した!」


 自分とパチュリー、それから霖之助を順番に指さし……小悪魔は突然大声を上げた。
 なにやら悔しがるように、地団駄を踏む。


「他に女が出来てもいっそ寝取れと言うべき展開だったかも……!
 いや、既にネチョネチョしてるお父様とお母様ですし、その場合は寝取られたことに……。
 寝取り寝取られウフフ」
「すまなかったね、パチュリー。危険なものを渡そうとしてしまったかもしれない」
「見抜けなかった私のミスでもあるわ
 でも、そういう事態に備えてここでチェックしているのでしょう?」
「それもそうだね」


 なにやらひとりで盛り上がっている小悪魔を放置して、霖之助はパチュリーに頭を下げた。

 とはいえ、悪魔の統べる館で発動した呪いなど、大したことはないのだろうが。
 念には念を入れて、である。


「……いないのよね?」
「ん?」
「…………」


 縋るようなパチュリーの視線に、何を言わんとしているのか思い当たった。
 霖之助はため息を吐くと、大げさに肩を竦めてみせる。


「僕は信用がないのかな」
「そんなこと……ないけど」
「そうですよ、お父様!」


 頭を振るパチュリーの背後から、にゅっと小悪魔が首を出した。
 盛り上がりは終了したらしい。


「お父様、女性ははっきり言葉で伝えて欲しいんですよ!」
「伝えたことある気がするんだが」
「何度でも言って欲しいものですよ」


 小悪魔はピンと指を立てると、にっこりと笑って一言。


「ほら、お父様だってお母様からそういうこと言われたら嬉しいでしょう?」
「だが、あまり振りまくと安っぽくなる気もするんだが」
「そーですかねぇ。まあ確かにお父様に似合うってわけではないですけど……」


 パチュリーと霖之助を交互に見比べ、彼女は首を捻る。

 それからなにやら思いついたように、ポンと手を合わせた。


「でも会うたびにネチョネチョしててもむしろ気持ちよさは増えるだけでしょう?
 たまにお母様ったらお父様が来るのを待ちきれなくてオナ」


 パチン、とパチュリーが指を鳴らす。

 次の瞬間には、小悪魔が黒い塵となった。
 残ったカケラも、やがて消えていく。


「塵は塵に。確か麒麟って殺生を嫌うのよね。
 その逆位置なら、殺しのライセンスになるのかしら」
「うむ、僕もその可能性は考えたんだが……」
「すみません、本番前のウォーミングアップと言うべきでしたね」


 再び思考の海に潜りそうになった霖之助だったが、背後から聞こえてきた声に現実へと引き戻される。


「戻ってくるのが早いんじゃないかい?」
「はて、なんのことでしょう」


 小悪魔の様子に変わったところはない。
 そう、まるで魔法攻撃を受けてないように元通りである。

 ……進歩しすぎではないだろうか。


「小悪魔、仕事を与えるわ」
「ほえ、なんでしょ」


 首を傾げる小悪魔に、パチュリーは真っ直ぐ道具の山を指さした。


「そこにまだチェックしてない道具があるでしょ。
 あの辺を身に付けて確かめなさい」
「え、でもあの辺って呪いが強いからって避けてたやつですよね。
 じっくり調べないと危険だって」
「ええ、だからよ。付けてみたら手っ取り早いでしょ?」


 名前と主要な用途がわかっても、副次的なものまでは読めないことが多い。
 霖之助の能力は万能ではない。

 だからこそ、面白いのだが。


 というか、その辺を選り分けていたとき小悪魔はいなかったはずだ。
 一体どこで聞いていたのだろうか。


「まあ、そう危険なものはないから大丈夫じゃないかな。
 それに、悪魔だし」
「お父様まで!?」


 あまり危険なものは持ってきてないので、害はないだろう。たぶん。
 持ち帰った時点でスキマ妖怪が没収しに来るか、厄神に持って行っている。

 たまにチェック漏れもあったりするが、そのための紅魔館なわけで。


「もしお父様とえっちなことしないと取れない呪いとかあったら責任取ってもらいますからね!」
「ないな」
「ないわね」


 即答で首を振るふたりに、さすがに小悪魔もショックを受けたようだ。


「わかりました! やります! やればいいんでしょ!」


 逆ギレしたように、彼女は道具の前に移動する。


「じゃあまず、この付けると全身が性感帯になる首輪から……」
「わかってるなら付けなくていいだろうに」
「魔界の知識がこういう時に役に立つのです。
 あっ、お母様、なんで取るんですか!」
「これは没収。次を調べなさい」
「ちょっと、お父様に責任取ってもらういいチャンスだったのに!
 あ! さては使う気ですね! たっぷり効果を確かめる気ですね!?」
「大人しく次を続けなさい」
「はいはい。でもちゃんと感覚は横流ししてもらいますよ」
「それは仕事の出来次第だわ」
「いや、目の前で堂々と密約されても困るんだが……」


 あまりのやりとりに、霖之助は冷や汗をかいた。
 だがそんな様子もふたりはどこ吹く風。


「それではこのヘビー級の恋も溶かす角砂糖なんてどうです?」
「それは捨てていいわ」
「勝手に捨てないでくれないか」


 呆れたため息を吐きながら、霖之助は苦笑を浮かべる。
 このままふたりに任せていたら大変なことになってしまいそうだ。


「でもまあ、たまにはこういうのも面白いかな」
「あら、いつでもいいのよ」
「何をだい?」


 霖之助の問いに、パチュリーはゆっくりと口を開いた。
 その眼差しに、少しばかりの期待を込めて。


「紅魔館に支店を作っても。そしたらずっと一緒でしょう?」
「今でも似たようなものだがね」
「でも、よ」


 少し恥ずかしそうに頬を染め、彼女は霖之助の耳元で囁いた。
 約束、あるいはひとつの呪いの言葉を。


「……待ってるから」

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非公開コメント

No title

この絵にssが付くとは!
パチュ霖gjです ( ̄ー ̄)b

てっきり、結婚の意味だと思っていました。あのイヤリング。

霖之助さんがもしプレゼントしていたらww

ちょっとそばかすの数、数えたくなってきた

No title

この二人はいつまで経っても甘いぜ!

2828が止まりませんww

No title

♪あなたが私にくれたもの~

No title

いつもながら素敵なパチュ霖をありがとうございます。
クールに見せかけてデレがいい割合で入ってるのが毎回うれしい限りです。
これからも素敵なパチュ霖をお願いします。

No title

何でそのネタ知ってんだよこぁwww

そしてこぁの生命力が強化されているwww なぜだwww
・・・・・・ああ、パッチェさんが旦那とネチョって精力吸収してるからkアッー(ピチューン ←粛清されますた

あと最後にデレるパッチェさん超かわいいしぬ ^q^<ヤラレター
プロフィール

道草

Author:道草
霖之助がメインのSSサイト。
フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
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