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秋桜に君と

前の前の紅楼夢で出したゆゆゆりんに掲載したSSです。
合同誌DL販売開始記念と言うことで、こちらは公開することに。


霖之助 幽々子


 ――吐く息も凍る、冬の早朝。

 積もった雪は一面を染め上げ、朝日を受けて白銀に輝いていた。
 霖之助は縁側に座り、香霖堂の裏庭を眺める。
 夜中まで降っていた雪も今は止み、聞こえてくる音と言えば霖之助がお茶を啜る音くらいのものだ。


「……おや?」


 裏庭の桜も周囲と同じ色に染まっていた。そしてそれを見上げるように佇むひとりの少女に気付き、霖之助は首を傾げる。
 いつから居たのだろうか。つい先ほど見たときは、誰もいなかったはずなのだが。


「お邪魔していいかしら?」


 少女はゆっくりと振り返り、たおやかに微笑んだ。
 桜の描かれた着物に、不思議な文様の付いた……額烏帽子にも似た帽子。冬だというのに、素足に草履を履いている。
 初めは雪女かと思った霖之助だったが、すぐに違うと思い直した。
 そこだけ春が来たかのような桜色に染まっていたせいだろうか。


「……いらっしゃい、と言いたいところだが。あいにく見ての通り開店前でね。お客なら、後にしてくれないか」
「あら、じゃあ別の客としてならいいのかしら」
「……別の客?」
「そう」


 そう言って彼女は庭を見渡し、空を見上げる。
 まるで、霖之助が見ていた景色を確かめるように。


「お月見かしら? いえ、それには時間が遅いわね。じゃあ雪見かしら。それとも太陽?」
「どれも正解、だよ。しいて言うなら、冬を見ている……かな」
「あら、それは風流ね」


 言いながら、少女は霖之助の隣に腰掛けた。伝わってく体温に、雪女でないことを確認する。


「私もご一緒させてもらっていいかしら?」


 彼女は手に提げた巾着から、酒瓶やおつまみを取り出した。自分の分は持ってきた、ということだろうか。


「古人曰く。冬は早朝に限るそうだ」
「枕草子ね。それで冬を見ていると……」
「ああ。つまりはそういうことさ」


 そう言って霖之助は彼女にお猪口を手渡した。
 駆けつけ三杯というわけではないが、早速お猪口に酒を注ぐ。
 少女も許可されたと感じたのか、嬉しそうに微笑んだ。
 火鉢がぱちりと音を立てる。霖之助は炭を火箸で返すと、炙っていたスルメを彼女に手渡し、口を開く。


「……それで、君は何者だい? その様子だと、人間じゃないんだろう?」
「そうね。私は……」


 少女はそこで言葉を切ると、炙ったスルメを指さした。
 これは冬になる前、妖怪の賢者から貰った物だ。海のない幻想郷では貴重な品である。


「紫の親友、と言えばわかるかしら。香霖堂店主、森近霖之助さん」


 少女の言葉に、霖之助は苦い表情を浮かべる。まさか今ここでその名前を聞くとは思わなかった。
 その証拠にか、彼女は自分の巾着からスルメを取り出した。霖之助が持っていた物とほぼ同じものだ。


「その名前を出せば、僕が警戒することもわかっていると思うが」
「あらあら、ひどいわね。紫が聞いたら泣いちゃうかもしれないわ」


 そう言って、少女は微笑む。
 霖之助は紫の泣き顔を想像しようとして……諦めた。


「あいにくだが、そんな姿は想像できないね」


 彼の言葉に、少女はますます笑みを深める。
 その様子に紫との気安い関係が見て取れ、霖之助はため息を吐いた。


「それにしても……本当に親友なんだな。彼女の」
「あら、私は嘘は吐かないわよ。あんまり、だけど」
「それほど嫌いじゃないのか」
「嘘も方便だもの」


 目の前の少女は紫の親友と言うだけあってか、何を考えているのかわからないところがある。
 と言っても紫ほど胡散臭いわけではなく、こちらを見透かすのではない。思考の距離の問題だろうか。
 霖之助は目の前の少女に対して、妖怪の賢者ほど苦手意識を持つことはなかった。


「ねぇ、霖之助さんは冬は好き?」
「大嫌い……とまではいかないが、苦手ではあるね」


 彼女の問いに、霖之助は首を振る。
 幻想郷で冬が好き、と言う人間はほとんどいないだろう。そしてそれは妖怪にも言えると霖之助は思う。したがって、人間と妖怪のハーフたる霖之助が冬を苦手でも何も問題無いのだ。


「まず寒い。暖を取るにも費用がかかる。客足が減る。雪女が出る」


 指折り数えて挙げていく霖之助に、少女はそれを聞きながら可笑しそうに笑う。


「いろんな行事があっていいじゃない」
「逆だよ。他の季節は忙しくて、冬にしかそういう行事を入れられなかったんだと僕は思うね」
「年末年始も冬にあるわよ?」
「いやそもそも旧暦の新年は今とは少し違う時期にあって……。君なら知ってると思うが」
「ええ。体験してたもの」


 何となく、目の前の少女は自分より遙かに長く生きていると霖之助は直感した。紫の親友と言うこともあるし、彼女がまとう雰囲気のせいもある。
 彼女もわかっててからかっているのだろう。その様子に、肩を竦める霖之助。


「店番をしているときはストーブが頼りなんだが、これがまた曲者でね」


 視線を庭先から少女へ、そして店内へと向ける。誰もいない店内は今身を切るような寒さだろう。このように寒くては、ストーブがあっても客足も鈍るというものだ。ストーブ目当てに来る常連はいるのだが。
 それにストーブの燃料は無縁塚で同様の品の中に入っているものを集めてくるか、紫と交渉するしかない。今使っている火鉢も、炭だって無料ではないのだ。その上行事も重なるとなれば、必然的に冬は何かと物入りになってしまう。


「でも今はこんなに寒いのに、どうして外でお酒を呑んでいるのかしら」
「簡単だよ。今は冬を楽しむ時だからだ」


 そう言って、霖之助は火鉢に手をかざした。冷えてしまった指にじんわりと熱が伝わってくる。両手を温めたところで……少女へと向き直った。


「冬とは、寒いものだろう?」
「変なの」


 そんな彼の動作に、彼女は可笑しそうに笑う。


「でも、嫌いじゃないわ。そう言う考え」
「そうかい?」
「ええ。だって……面白いじゃない」


 少女はそう言うと、じっと霖之助の目を見つめた。冥く深いその色に、思わず霖之助は息を飲む。


「そうそう、紫から聞いたんだけど。冬を愛する人は心の広い人らしいわよ」
「うん? なら僕の心は狭いのかな」
「貴方自身はどう思ってる?」
「……あまり狭いつもりはないよ」


 霖之助としてはむしろ寛大だとすら思っていた。そうでなければ、紅白や白黒の面倒をこんなに見ているはずがないではないか。
 ……しかし、あえて口に出さない。そもそもこう言うものは自分で評価するものではないだろう。


「そう言う君は、冬は好きかい?」
「私は……そうね。雪が降るのを見るのは好きだし、冬にしか見られない景色とかも好きよ。でも紫は寝ちゃうし、なんだかもの悲しい気分になるからあまり好きじゃないかもしれないわね」


 少女はそう言うと、少しだけ寂しそうに微笑んだ。
 そしてなにやら思いついたような表情を浮かべると、縁側から庭に降り、座り込む。足下の雪を集め、形を整え、飾りを付けて……完成。


「はい、ゆきうさぎ」
「冬の名物だね。しかもわずかな時間しか存在を許されない」


 彼女が作ったのは、儚さの結晶。人の体温ですら溶けてしまうそれは、火鉢の近くで既に溶け始めていた。


「寒いだろう? もう少し寄るかい?」
「平気よ」


 素手で雪を集めていたというのに、しかし彼女は首を振る。


「こんなものならいくらでも作れるのに……」


 呟きは風に消え、顔を伏せた彼女の表情を窺い知ることは出来なかい。


「私には、暑さも寒さも関係ないから」
「ふむ?」


 そこで霖之助は首を傾げた。思い出したように、改めて口を開く。


「そう言えば、さっきの質問が途中だったね」


 霖之助の質問を予想していたかのように、彼女は微笑んだ。


「幽々子」
「ん?」


 短い言葉。
 それが質問の答えだと気付くのに、しばらく時間を要した。


「西行寺幽々子。妖夢がお世話になったわね、霖之助さん」
「ああ……」


 言われて納得する。粗忽者の半人半霊、妖夢が人魂灯を買いに来たのが少し前のことだ。
 彼女から聞いた、主の話。あの時のことを思い出し、霖之助は少し苦い表情を浮かべる。
 妖夢の勉強のだしに使われ、寒い思いをしたのは目の前の少女のせいでもあるというわけだ。


「君が冥界のお嬢様か」
「ええ。普段は冥界で幽霊を管理してるわ。」
「妖夢から話は聞いているよ。素晴らしいお嬢様だってね」
「あら、貴方もそう思ってくれてるのかしら」
「いや、その判断をするのは……これからだね」


 妖夢には相応の対価を支払ってもらったが、それを幽々子にどう伝えたのだろうか。
 霖之助は幽々子の真意を確かめるように、彼女を真っ直ぐに見据えた。


「それで、妖夢の主人としては仕返しにでも来たのかな?」
「いいえ、むしろ感謝を言いに来たのよ」
「……君がかい? 妖夢に何をさせたか……は、聞いているようだね」
「ええ。しばらくは文句言ってたわ。ひどい店主に雪かきさせられたって」
「格安で人魂灯を譲ってあげた上、人生勉強の機会も上げたんだ。恨まれるのはお門違いだね」
「私もそう思うわ。妖夢もしばらくしたらわかったみたいよ」
「そうかい?」
「ええ。貴方が私の分も怒ってくれたからね」


 店にものを買いに訪れたのに手ぶらなのはいただけない。
 ……しかし今ではそれすらこの少女の計画通りだったのではないかという気がしてきた。


「妖夢もいい勉強になったと思うわ。反省してたし、次からはちゃんと言うでしょう」
「だといいがね。あの子はあまりにも未熟だ」
「あら、未熟なのは今だけよ。それに……」


 幽々子は楽しそうに笑っていた。まるで子の成長を祝う親のように。


「誰かが導いてあげれば大丈夫よ。近くの大人がね」
「……自分の従者の教育くらい、自分でやって貰いたいところだよ」


 押しつけようとしているのだろうか。一瞬、霖之助の胸中をそんな不安がよぎる。
 しかし幽々子はそんな彼の考えを読んだのか、笑って首を振った。


「冗談よ。手放す気はないわ」
「是非そうしてくれ」
「ふふっ、正直な人ね」


 ため息を吐く霖之助に、幽々子は少し身を寄せた。自分で持ってきた酒瓶を抱え、彼に差し出す。


「ささ、もう一献どうかしら」
「やれやれ、今日の開店時間は遅れてしまいそうだな」


 幽々子にお酌されながら、霖之助は苦笑いを浮かべる。
 その言葉に、彼女はわざとらしく驚いて見せた。


「あら、開店時間なんて決まってたの?」
「一応ね。もっとも、僕がいるときに客が来たらいつでも店を開けるけど」


 お客あっての商売である。そもそも生活時間の違う人間にも妖怪にも商売をしようというのだから、来店時間がずれることも予想の範囲内だ。


「じゃあ、今日は開店時間になるまでいようかしら」
「……一日中いるつもりかい?」
「あら、自分で言うのかしら。とんだ不良店主だわ」
「こんなに雪が降っているからね。そう思うなら、買い物していってくれても構わないよ」
「気が向いたら、見せてもらおうかしら」


 そう言って、幽々子は盃に口を付ける。空になったそれに、霖之助は徳利を傾けた。冬の寒さを酒で忘れるのもいいだろう。例え亡霊だとしても。


「そう言えば、紫は今冬眠していると言ったね」
「ええ」


 頷いて……彼女はぽつりと呟く。


「大事な約束をした気がするのよ……」


 それきり幽々子は黙ってしまった。
 聞いてはいけない話題だったのだろうか。訪れた沈黙に、火鉢の炭が立てるぱちりという音が、妙に大きく響く。


「……お餅でもどうだい?」
「あら、頂くわ」


 霖之助の言葉に、幽々子は頷いた。
 先ほどのことは無かったことになったようだ。わからないことは考えない。霖之助も気にしないことにした。


「お餅って幽霊みたいで楽しいわよね。白くて、ふわふわしてて」
「食べる気の無くなることを言わないでくれ」


 苦笑しながら立ち上がり、霖之助は戸棚に向かった。年の瀬に作った餅の残りを取り、火鉢に設えられた網に乗せる。


「そのまま食べるのもいいけど、お汁粉や雑煮にしても美味しいわよね。磯辺焼きとかもいいと思うわ」
「それは暗に、僕に作れと言っているのかい?」
「あら、そんな事はないわよ」


 もちが膨らんでいく様子を楽しげに見つめながら、幽々子が思い出したように口を開いた。


「ところで霖之助さん。お餅の一番美味しい食べ方ってなんだと思う?」
「そんなものは自分だけが知っていればいいだけだよ。一番なんて好みによって変わるからね。なかなか共感を得られることでもないし……」
「あら、独り占めするつもりかしら」
「そういうわけではないがね」


 冗談めかした幽々子の言葉。
 しかし彼女の瞳に挑戦的な光が宿っているのを、霖之助は見逃さなかった。


「私も知ってるわよ。お餅の一番美味しい食べ方」
「ほう。それは何だい?」
「自分だけが知っていればいいのよね」


 わざとらしくそっぽを向く幽々子に、霖之助は彼女が何を言いたいかを理解した。
 仕方ないな、と肩を竦めつつ。同時にこういうのも悪くない、と思いながら。


「仕方ない、ここはひとつ食べ比べといこうじゃないか」
「ええ、受けて立つわよ」


 にっこりと微笑む幽々子。
 網の上のもちはいい塩梅に焼き上がっていた。だがいろいろな食べ方をするには、もう少し追加しなければならないだろう。


「台所と食材、借りていいかしら」
「ああ。ついでに居間に移動しよう。外は寒いよ」
「あら、冬はもう十分楽しんだのかしら?」
「いいや」


 彼女の言葉に、霖之助は首を振った。


「炬燵にみかん。そしてもち料理。これも冬の楽しみ方というやつさ」
「うふふ。それはとても……素敵なことね」


 店主と亡霊、霖之助と幽々子との出会い。それを見届け……ゆきうさぎは静かに溶けていった。



     ◇



 ――桜舞い散る、春の夜明け。

 朝日が見え始め、山の端がだんだん明るくなっていく。
 夜桜も見納めの時間だろう。霖之助は縁側に座り、裏庭の桜を眺めた。
 夜から朝に変わっていく瞬間を堪能していると、桜色の春風が吹き付け、霖之助の視界を奪う。
 やがて風が収まり、目を開けると……そこには見知った少女が立っていた。


「こんばんは。それともおはようかしら?」
「どちらでも構わないよ。まだ朝日は昇りきってないからね」
「あら、それでは風情がないわ。挨拶はきちんとしないと」
「しかしそれには朝と夜の境界を明確にする必要があるな」
「じゃあ紫に聞いてみようかしら」
「……やめておくよ」


 桜色と言っても香霖堂の裏にある桜は白い。
 優雅に微笑みを浮かべる薄紅色の少女は、白の舞う中をゆっくりと歩いてくる。


「いらっしゃい、幽々子。君はいつも唐突だね」
「その唐突な時間に、霖之助さんは何をしているのかしら。
 暁の会にしてはちょっと時期が遅いようだけど」
「ああ、見ての通りだよ」
「ふ~ん?」


 とすんと霖之助の隣に腰を下ろし、幽々子は首を傾げる。
 霖之助は幽々子にお猪口を渡し、徳利を傾けた。


「用意がいいのね」
「たまたまさ」


 幽々子が手にしたお猪口に、桜の花びらが一枚落ちる。
 彼女はひとつ笑うと、即席の桜酒を口に運んだ。
 ほぅ、と一息吐いて、口を開く。


「春はあけぼの、かしら」
「古人曰く。一番趣がある時間だそうだ。
 こんな幻想的な景色を見たら、誰だってそう思うだろうね」


 言葉とともに、霖之助は視線を遠くに向ける。
 ちょうど太陽が山の端から顔を出し始めるところだった。
 白みがかり始めた空が、なんとも美しい。


「それに夜桜も一緒に楽しめる。
 一石二鳥というやつだね」
「あら、ずぼらだこと。その言葉がなければいい話だったのに」
「言葉でどう取り繕おうと、結果は同じだからね。もっと正直に生きるべきだ」
「正直すぎても味気ないわよ。それに、貴方には似合わないわね」
「……君はなかなかに手厳しいな」


 幽々子は苦笑しながら、霖之助の盃に酒を注いだ。
 芳醇な香りを楽しみながら、彼女は思い出したように彼を見つめる。


「でも春と言えば、春眠暁を覚えずって言葉もあるじゃない?」
「ああ、それもそうだろう。
 こんな気持ちのいい日に早起きしているなんてもったいない」


 寒かった冬も終わり、ようやく春がやってきた。
 まだ肌寒くはあるが、暖房が必要と言うほどではない。
 幽々子は可笑しそうに笑いながら、春の空を見上げた。それから、隣にいる怪しい店主も。


「結局、どっちなのかしら。
 霖之助さんは早起きが好きなの? それとも、寝るのが好きなの?」
「どちらも構わないさ。
 その時の気分で、やりたいことを選ぶよ」
「本能のままに?」
「本能を御してこそ人たるのさ。あくまで風流のひとつと言ってもらいたいね」
「言葉でどう取り繕おうと、結果は同じじゃない」


 桜の花は春風に舞い、周囲を同じ色に染め上げる。
 何者にも染まらぬ無々色の桜を、幽々子は掌で受け止めた。


「それにしてもさすが男の子だわ。気が多いのね」
「楽しみを狭める事はもったいないと思わないかい?」


 彼女の笑顔に、霖之助は肩を竦める。
 春に関する逸話は数知れない。それだけ人間は遙か昔から春を楽しんでいたのだろう。
 いや、人間に限ったことではないかもしれないが。


「それで、こんな時間からひとりでお花見をしてるの? 神社やうちの宴会の誘いを断っておいて」
「ああ、妖夢から誘われはしたけどね」


 唇を尖らせた幽々子に、霖之助は首を振る。
 妖夢が花見の誘いに来たのはつい先日のことだ。
 最初は人魂灯のお礼を言いに来たようだったのだが……。


「『店の前を通りがかったから』『ここの桜の何倍も見応えがある』お花見に来ませんか、だとさ。とてもありがたい申し出だったけど丁重にお断りしたよ」
「あらあら、それは妖夢が悪いわね」


 霖之助の言葉に、幽々子はため息を吐いた。少し残念そうな表情に見えたのは……気のせいだろうか。
 その真意を測る前に、彼女は再び口を開く。


「だけど妖夢、落ち込んでたわよ。霖之助さんが来てくれなかったって」
「妖夢がかい?」
「ええ」


 少し意外だった。もののついでのような誘われ方だったので、とてもそうは思えなかったのだが。


「次誘われたら行こうかと思ってたよ」
「次って……他の場所の桜はもうほとんど散ってしまったわ」
「そうかい。それは残念だ」


 言って、霖之助は肩を竦めた。
 そんな彼の仕草を見ながら、幽々子は首を傾げる。


「あら、残念だとは思っているのね。……その考えは来年も有効かしら」
「いいや、今年限りだよ」
「それじゃあ花見に誘えないじゃないの」
「ふむ。今回は縁がなかったということかな」


 ゆっくりと首を振る霖之助に、幽々子は苦笑を漏らす。
 しかし彼女は何かを思いついたかのように手を合わせた。


「でも、今年中ならいいのよね?」
「ああ、それは構わないが……しかし桜は散ってしまったのだろう?」
「そうね」


 幽々子は意味ありげに頷いた。だがそれ以上は何も言わない。
 やがて彼女は話題を変えるように、霖之助と桜を見比べた。


「それで、今のがひとりでお花見してる理由かしら。
 それにしては少し弱い気がするけど」
「それが理由というわけではないがね」


 霖之助はゆっくりと首を振る。
 そして幽々子の視線を追うように、香霖堂の裏にある桜を見上げた。


「この桜は今日が一番見頃なんだ。
 昨日でも、明日でも時期を外してしまう」


 一期一会というやつだろうか。
 満開とはまた違った、長年見ている霖之助だからこそわかる桜の顔。


「昨日でも、明日でも……」


 幽々子が呟くと、春風が桜の枝を撫でた。
 花吹雪が舞い、視界を白で覆い尽くす。


「ああ、この桜との付き合いも長いからね。何となくわかるものさ」
「そう……」


 幽々子は縁側から裏庭に降りると、桜の隣に移動した。
 そして幹に手を添え、そっと目を閉じる。
 桜と、桜の少女。
 幻想的な光景に、霖之助は思わず息を飲む。


「この桜も、喜んでるわ。見てくれて嬉しいって」
「わかるのかい?」
「ええ」


 霖之助の言葉に、幽々子は桜を見上げたまま頷いた。
 そして少しだけ、悪戯っぽく笑う。


「桜の下に眠ってるひとに聞いたの」
「…………」
「冗談よ」


 それだけ言うと、彼女は霖之助に向き直る。
 霖之助は苦笑を浮かべながらも、幽々子の盃に酒を注いでいた。
 その様子を見て、幽々子が声を上げる。


「そう言えば私、今日は何も持ってきてないわ」
「別に構わないよ」
「友人割引でタダにしてくれるのかしら?」
「タダより高いものはない。その意味を知りたいならそれでも構わないが」
「あら、じゃあ遠慮しておくわ」
「後払いでも構わない、ということさ。君ならツケを踏み倒すような真似はしないだろうし」
「う~ん、そうねぇ」


 彼の言葉に、彼女は少し考え込む。
 ひょっとしたら借りを作るのは嫌いなのかもしれない。霖之助はそう考えるが、本当のことはわからなかった。


「そうだわ、舞を見せるから、それで今日のお代にしてくれないかしら」
「舞かい? ふむ、そう言うからには自信があるんだろうね」
「ええ。そこそこ、かしら」
「まあ構わないよ。たまにはそういうのもいいだろう」
「じゃあ……」


 幽々子はひとつ深呼吸をすると、どこからともなく扇子を取り出した。
 瞬間、彼女の表情が変わる。
 しゃらん、と鈴のような音色が聞こえてきた。


「ほぅ……」





 しゃらん、しゃらん。
 時に速く、時に緩やかに。彼女が動くたび、紫色の蝶が舞う。
 華やかさの中にどこか寂しさを宿したそれは、この世ならざる美しさだった。

 しゃらん、しゃらん。
 次第に幽々子の動きが大きく、そして華やかになってきた。そろそろクライマックスだろうか。
 彼女の着物は普段通りのもののはずだが、まるでこのためだけに誂えられた舞台衣装にさえ見える。
 幽々子の一挙動から目が離せない。もっと見ていたいとさえ思うようになっていた。
 やがて太陽が全身を現す頃、幽々子の演舞は終わりを告げる。


「……大したものだ」
「お粗末様でした」


 感心した表情で拍手をする霖之助に、幽々子は澄まし顔だった。
 照れた素振りがないのは、慣れているからだろうか。
 そんな彼女に、霖之助は口を開く。


「イメージは春、と言ったところかな」
「あら、正解よ」


 そこで初めて、幽々子は破顔した。
 春と言っても温かいイメージばかりではない。出会いの季節であり、別れの季節でもある。
 舞から感じた華やかさと寂しさは、おそらくそれをイメージしたものなのだろう。


「いいものを見せてくれたお礼に、僕もとっておきの酒を持ってこよう」
「いいの? 嬉しいわね」
「構わないさ」


 そう言って、霖之助は立ち上がった。
 こういう時のために取っておいた酒だ。出し惜しむつもりはなかった。
 それに……どうせ大事にしてても、いつの間にか呑まれしまう危険がある。主に巫女や鬼に。


「少し待っていてくれ」


 貯蔵室で目当ての酒を確保。ついでに台所で、つまみを追加する。
 幽々子の好みはわからなかったが、嫌いなものにわざわざ手を付けないだろうと考え、霖之助の好みで選んでいく。


「お待たせ」


 やがて戻ってきた霖之助は、縁側の様子を見て首を傾げた。
 酒を呑んでいるはずの幽々子の姿が見当たらない。
 そんな彼に、少し間を置いて声がかかる。


「あら、早かったのね」
「……自分の家だ。迷うはずがないさ」


 声に距離を感じ、霖之助は視線を移した。
 見ると幽々子は裏の桜に手を添え、じっと目を閉じている。
 ……まるで花とともに消えてしまいそうで、霖之助は思わず声を上げる。


「幽々子……」
「何かしら?」


 答える彼女の声に、いつもと変わった様子はない。
 霖之助はため息を吐き、持ってきた酒を並べていく。わからないことは考えないようにしながら。


「なんでもない。とっておきの酒だから、外にいないで呑もうじゃないか」
「ええ、そうしましょう」


 彼の言葉に、彼女はふよふよと近寄ってきた。
 見ていたはずなのに気付かなかったが、幽々子は舞の時も浮いていたのだろうか。
 ……庭に落ちた花びらに踏み散らかされた跡がないことを考えると、おそらくそうなのだろう。


「とっておきのわりには、いろいろあるのね」
「全て春や桜の名にちなんだ酒さ。
 呑むなら今しかないと思ってね」
「呑み収めというわけね」


 幽々子は霖之助の持ってきた酒を見て、笑みを浮かべた。
 彼の言う通り、桜や春の名を冠した酒がずらりと並べられている。主に外の世界の酒だ。
 霖之助は酒を注ぎながら、幽々子に質問を投げかけた。


「春は好きかい?」
「ええ」


 幽々子は頷き、笑みを浮かべる。春のような微笑みを。
 そしてそのまま、真っ直ぐ霖之助へと視線を向けた。


「貴方はどうかしら」
「好きだよ」


 質問を返され、頷く。


「春は実に僕好みの季節だからね。
 温かくなり、生物が活発に動き出す時期だ」
「だからって客足が近くなるわけじゃないみたいだけど」
「……それはそれ、これはこれさ」


 肩を竦める霖之助に、幽々子は楽しそうに笑う。


「あ、そうそう」


 そして、思い出したように口を開いた。


「紫に聞いたんだけど、春を愛する人は心清き人らしいわよ」
「なんだ、僕にぴったりだね」
「どの口で言うのかしら」


 自信たっぷりな霖之助の言葉に、幽々子は苦笑で返す。
 そんな彼女に、霖之助は首を振った。


「君こそ、自画自賛じゃないか」
「あら、本当ね」


 初めて気が付いたような幽々子の声。
 どう考えてもわざとだろう。
 霖之助は何か言い返そうと思ったが……やめた。
 返事の代わりに盃を渡し、少し掲げる。


「乾杯」
「乾杯。春に、かしら」
「そんなところさ」


 軽い音を立て、盃が音を立てる。
 その時を待っていたかのように、桜の花びらがふたりの盃に落ちた。



     ◇



 ――星降る空、夏の夜。


「そう言えば、ちょっと小耳に挟んだんだけど」


 香霖堂でぼんやりと商品を眺めていた幽々子が、突然口を開いた。


「貴方、外の世界に修行に出たいらしいわね。本気かしら」
「……一体どこから小耳に挟むんだい? 人に喋った覚えは無いんだが」


 霖之助はため息を吐きながら、彼女に視線を向ける。
 よく店に来るようになった幽々子は、よく商品を買っていってくれるからありがたい。
 欲を言えば、妖夢にもお金を持たせてくれるとさらに売り上げが伸びそうなのだが。


「そう言えば君は初めから僕のことを知っていたね。
 紫か妖夢にでも聞いたのかな」
「さあ? それは乙女の秘密よ」


 幽々子のとぼけた表情に、霖之助は肩を竦めた。
 隠しても無駄だ、と思い……仕方なく、言葉を探す。


「修行したいと思っているのは事実だよ。
 外の世界で知識を蓄え、それを幻想郷に役立てたいとね。
 しかしどうやって行くかは……」
「連れて行ってあげましょうか?」


 突然の幽々子の申し出に、霖之助は目を丸くする。


「なんだって?」
「連れて行ってあげましょうか、って言ったのよ。外の世界にね」
「……そんな事が可能なのかい?」
「外と冥界は繋がってるのよ。別の道でね。
 そして私はそれの管理も任されているから」


 幽々子は扇子で口元を隠し、眼を細めた。
 何か企んでいるようなその仕草に霖之助は警戒を強めるが……それでも好奇心は抑えられず、彼女の言葉を聞く。


「ちょっと前に成仏が禁止されたことがあって、冥界が幽霊でいっぱいになったことがあるのよね。
 その時に幽霊たちを外の世界に移民させたことがあるのよ。
 廃校とか廃病院とか……人の少ない場所を選んだんだけど、どうしてか人間が集まるようになっちゃってね。
 それから見せ物になるのはよくないってことで、映姫ちゃんに冥界を拡張してもらったの」


 ちょっと前がどれくらいかはわからなかったが……どうやら外の世界に行けるのは本当らしい。
 霖之助はひとつ深呼吸すると、真っ直ぐに彼女の瞳を見つめた。


「……条件はなんだい?」
「あら、用心深いのね」
「当然だろう。美味い話に裏がないはずがない」


 霖之助の言葉に、幽々子は少し考える素振りを見せる。
 だがそれがポーズだと言うことはここ最近の付き合いでわかっていた。単にもったい付けているだけだろう。


「特にないわよ。ただその穴は幽霊じゃないと通れないだけで」
「…………」


 幽々子は微笑み、事も無げに言った。
 やっぱり、と言わんばかりに霖之助は肩を落とす。


「問題大ありじゃないか」
「あら、どうして?」


 わかっているはずなのに、彼女はとぼけてみせる。


「僕は外の世界で得た知識を幻想郷に活かしたいんだ。
 死んでは意味がないだろう」
「あら、つれないわね」


 唇を尖らせ、幽々子はつまらなそうに呟いた。
 だが目が笑っている。からかっているのだろう。


「君はもう少し自分が危険な存在だということを自覚したほうがいい」
「自覚してるわよー。ちゃんとね」


 そう言って、彼女は楽しそうに微笑んだ。
 いつもと変わらぬその笑みを、霖之助のすぐ側に寄せる。


「その気になれば貴方をいつでも連れて逝けるとか」


 耳元で囁かれたその言葉に、霖之助は思わず背筋を凍らせた。


「……早めの怪談だと受け取っておくよ」


 そう言って、霖之助は腕時計に視線を落とした。
 夏だけあって、完全に日が落ちる頃ともなると結構遅い時間だった。
 とはいえ、怪談をするには早いだろう。
 なんと言っても夕食もまだなのだし。


「なかなかいい時計ね。でもいつもの貴方の趣味とはちょっと離れてる気がするわ。拾い物かしら」
「……まあね。いや、君に隠しても仕方がないな」


 紫とはまた違う感覚で、幽々子には考えを読まれている気がしていた。
 まあ彼女ほど胡散臭くないので苦手に思うわけではないのだが。


「無縁塚で手に入れたんだよ。外の人間が身に付けていた物でね。
 普段は特別な品でもない限り、一緒に埋葬してしまうんだがね」
「特別だったのかしら」
「ああ、そうだ。この道具から、使ってくれと訴えられたような気がして」


 霖之助の説明に、幽々子は呆れたようにため息を吐く。


「そんなのを身につけて大丈夫なの?
 呪われたり祟られたりしたりとか」
「そう悪い感じもしなかったしね。
 それにそうなったら、本職に頼めばいいだけさ」
「楽観的なのね」
「まあ、否定はしないよ」


 それに、呪いの道具かどうかは霖之助も見ればわかる。
 ちゃんと確認した上で付けているのだ。
 ……まあ、何度か失敗したこともあるのだが。


「でも、よかったわ」
「なにがだい?」


 幽々子はそっと霖之助の時計に手を添え、呟く。


「伝言よ。ありがとう、ですって」
「……誰から……?」


 彼の質問に、彼女はくすりと笑った。


「その時計の、持ち主からよ」
「……幽々子、君は……」


 冥界の管理者だ。幽霊と会話することも出来るだろう。
 だとすると、無縁塚にいた霊達と話していたとしても不思議ではない。

 ……いや、一体いつから知っていたのだろうか?
 人魂灯を妖夢が香霖堂に探しに来たのは……必然とでも言うのだろうか。


「最初はひどい人だと思ったわ。次に、変な人だと思った」
「変か」
「ええ、変よ。そしていつの間にか……幽霊から貴方の話を聞くのが楽しみになっていたわ」


 幽々子はゆっくりと霖之助に視線を向ける。
 ごく近い距離で……その瞳は潤んでいるようにも見えた。


「もちろんいい話だけじゃなかったけど。
 でも……私は……」


 そこで彼女は言葉を切った。
 霖之助は一呼吸置き、尋ねる、


「……会ってみて、幻滅したかい?」
「いいえ」


 幽々子は霖之助の目を真っ直ぐに見つめ……首を振る。
 そして彼女が何かを言おうとした矢先。


「ただ今戻りましたー」


 突然店内に響いた少女の声に、霖之助は思わず立ち上がった。
 その様子を見て、彼女……妖夢が不思議そうな表情を浮かべる。


「あれ? どうしたんですか霖之助さん。驚いた顔して」
「いや……なんでもないよ。いらっしゃい妖夢」
「遅かったのね」


 いつの間にか身体ひとつ分距離を空けていたらしい幽々子は、ふわふわと笑顔を浮かべていた。


「霊夢さんたちがなかなか離してくれなかったんですよ……」


 そう言って、疲れたように肩を落とした。
 妖夢は幽霊を回収する作業に出ていたらしい。
 曰く、最近は幽霊をおもちゃにする者が多くて困るとのことだった。


「疲れたかい? お茶の用意ができているよ」
「……霖之助さん、何か変な物でも食べましたか?」


 霖之助の言葉に、しかし妖夢は怪訝な表情を浮かべた。


「いや、食べるのはこれからだが……。変な物は用意してないはずだけどね」
「だって霖之助さんが優しいなんて」
「妖夢~?」
「ごめんなさい、でもなんだか……」


 そう言いながら霖之助と幽々子を見比べ、妖夢は首を振った。
 余計なことは言わないほうがいいと思ったのだろう。

 霖之助もそれ以上は触れず、香霖堂の戸締まりをしていく。
 今日はこれで閉店である。あとは……。


「それより準備はもう出来てるよ。あとは主役待ちさ」
「今日は妖夢のための会だものね」


 それはつい昨日のことだった。
 突然やって来た幽々子が、いつも頑張っている妖夢のためにバーベキューをしよう、と言いだしたのだ。
 どこまでが本心かわからなかったが、霖之助も了承した。
 というのも、店で持て余していたバーベキューセットを買っていってくれるとなれば頷かざるを得ない。


「すぐに始めるから、お茶でも飲んでいるといい」


 三人で裏庭に出ると、霖之助は早速炭に火を起こす。
 半分が網、もう半分は鉄板になっている。これ一台でいろいろ焼ける優れものだ。売れなかったけれど。


「あ、ありがとうございます」


 妖夢は集めてきた幽霊に待機を命じていたようだった。
 ……さっぱり言うことを聞いていないように見えるが。


「飲み物はここに入ってるわ」


 幽々子はクーラーボックスからペットボトルに入った飲料を取り出した。
 中に幽霊が入っているおかげでよく冷えている。


「僕には今まさに幽霊を私物化している光景が見えるんだが」
「あら、私がいるからいいのよ」
「……そうか」


 利点を享受できるなら、余計なことは言わないに越したことはない。


「僕が焼きそばを鉄板で焼くから、網で好きなのを焼いて食べてくれ」
「ええ、了解よ」
「はい」


 飲み物が入っていたのとは別のクーラーボックスから、夏野菜や肉を取り出す。
 半分くらいは幽々子が持ってきたものだ。
 紫から貰ったのだろうか、幻想郷ではほとんど見ない食材も結構含まれていた。


「こうやって自分で作るとまた格別ね」
「普段はどうしてるんだい?」
「料理は家事の幽霊がいるんですよ」
「専門家がいるのか。
 僕はまた妖夢がやっているのかと思ったがね」
「白玉楼の庭は広いですから、とても家事までは……。
 あ、でもたまにやりますよ」
「妖夢ったらこの前お鍋焦がしちゃってね。いい機会だから買って帰ろうかしら」
「……まいどあり」


 霖之助は調理を続けながら、苦笑いを浮かべた。
 その光景がありありと目に浮かんでくる。


「幽々子様……」
「あら、秘密だったかしら」
「いえ……ですけどこんな所で言わなくても……」


 恥ずかしそうに妖夢はもじもじと手を合わせた。
 彼女の言葉に、霖之助はわざと肩を竦めてみせる。


「こんな所で悪かったね」
「ああいえ、決してそういう意味では」
「霖之助さんの前だからよね?」
「え? いえ? あのその」
「やれやれ、本当に仲がいいね君たちは。
 ……そろそろ焼きそばも出来上がったよ」


 ものを食べているときくらい、静かに出来ないのだろうか。
 そう思うのだが……楽しい騒がしさに、霖之助も顔を綻ばせていた。



   ☆



「さて、今日のメインを始めましょうか」


 やがて食べ終わり、片付けも済んだ頃。
 幽々子が立ち上がり、ぽんと手を合わせる。


「え? メインって……さっきのじゃないんですか?」
「メインがひとつだけなんて決まりはどこにもないわよ~」


 そう言いながら、幽々子は近くに置いておいた袋を取り出してきた。


「今日のメインはこれよ~」
「花火……ですか?」


 と言っても、店に余っていたのを幽々子が見つけて、さっき決めたのだが。
 もう夏も終わるし、来年まで取っておいても仕方がないと言うことで安く譲ったのだ。


「まあ、夏だしたまにはいいんじゃないかな」
「あ、別にイヤと言ってるわけじゃないですよ。ちょっと驚いただけで」
「じゃあせっかくだし、楽しむといい」


 霖之助は蝋燭に火を灯し、消火用のバケツに水を張った。
 燃え移りなどしたら大変だが、もしそうなっても対処は可能だろう。
 普段の弾幕に比べたら微々たるものだ。


「使ったあとはちゃんと片付けておいてくれよ。暗くてよく見えないかもしれないが……って、君たちには関係ないかな」
「はい、それはもう、完璧に」
「あら、霖之助さんもやるのよ?」
「……僕もかい?」
「勿論」


 幽々子の笑みに、霖之助はやれやれと肩を竦める。
 断ってもいいのだが……どうせ見ておくことになるのだし、たいして状況は変わらないかもしれない。
 そう考えると、霖之助は仕方なしに頷いた。


「……お手柔らかに頼むよ」
「じゃあまずはこの打ち上げ花火から行きましょうか」
「派手なのから行くんだね」
「ええ。景気よく、ね」


 幽々子は蝋燭の火で打ち上げ花火に火を付ける。
 微かな火薬のにおいとともに色とりどりの火花が立ち上った。
 そして落ちてくる落下傘。


「見て見て妖夢、これ面白いわ」
「……随分変わった花火ですね」


 ヘビ花火を前に、幽々子は笑っていた。
 コマ花火に噴出花火。ロケット花火も飛んでいたが……燃えカスを探しに行く幽霊が大変そうだ。


「弾幕に比べると、少し地味かな?」
「でも私は好きよ? こういうのも」


 霖之助の呟きに、幽々子は微笑む。
 花火はもう終わりのようだ。
 彼女は袋から何かを取り出すと、霖之助に手渡してきた。


「最後にこれよ」
「……こんなの店にあったかな?」
「これは私が持ってきたのよ。特製の線香花火だから」
「君が作ったのかい?」
「いいえ。作ってもらったの」


 誰にかは……聞かないでおいた。
 心当たりも多すぎるし。


「はい、妖夢にも」
「ありがとうございます」
「普通の花火……じゃないんだろうね」
「ええ。でも、やってみればわかるわよ」


 幽々子に言われ、三人並んで線香花火に火を付ける。





「わぁ」
「……ああ、そういうことか」


 やってみて……納得した。
 線香と名の付くそれは、確かに名前に偽りのない効果を伴っていた。


「あの、幽々子様。この花火を作ったのってもしかして」
「ええ、そうよ」


 おそらく紫だろう。
 特製とはいえ、こんな効果を出せる妖怪がそうそういるとは思えない。


「なるほどね」
「こっちのほうが風流でしょ? どうせ幽霊達を冥界に連れて帰らないといけないんだし」


 線香花火の煙に導かれるように、幽霊が冥界に送られていく。
 幽々子達に効果がないところを見ると、幽霊にだけ効果があるのだろう。


「妖夢、幽霊を集めて来てくれるかしら」
「はい」


 幽々子は妖夢に声をかけると、次の線香花火を用意し始めた。
 袋の中を探りながら……ふと、声を上げる。


「ねぇ、霖之助さん。夏は好きかしら?」
「そうだな」


 幽々子から線香花火を受け取りつつ、霖之助は苦笑を浮かべた。


「正直暑くて過ごしにくい。だが……」


 そこで少し、言葉を切る。
 バーベキューの跡と花火、それから幽々子と妖夢に視線を向け……。


「こういう夏なら、悪くないな」
「そう」


 幽々子はひとつ頷くと、霖之助の隣に腰を下ろした。


「夏を愛する人は心強き人らしいわよ」
「そうか。……君は?」
「そうね。この時期は冥界が少し寂しくなるから……」


 幽々子はやんわりと首を振る。
 幽霊をこっち側でよく見ると言うことは、つまり冥界にほとんどいないと言うことだろう。
 怪談やお盆など、幽霊の需要はひっきりなしだから当然かもしれない。


「あらあら、妖夢ったら」


 笑い声につられて少し離れた場所に視線を移すと、妖夢が幽霊を集めようと悪戦苦闘していた。


「手伝う必要は……ないか」
「ええ」


 幽々子と一緒にその様子を見守りながら待っていると、彼女がぽつりと呟いた。


「……こうしていると、家族みたいね」
「はは、確かにそうだね」


 なんの気無しに、頷く霖之助。


「その場合、妖夢は娘かしら? もしくは妹? それとも……」


 続く幽々子の質問に、曖昧に肩を竦めるのだった。



     ◇



 ――天高く馬肥ゆる、秋の夕暮れ。


 妖精が連なって飛んでいくのを、霖之助は縁側から見上げていた。
 ようやく涼しくなってきた空気は、もうすっかり秋色の色へと変わっている。


「相変わらず、閑古鳥が鳴いてるわね」


 そしていつの間にやら、幽々子が霖之助の隣に座っていた。
 霖之助が縁側で呑むのを、逢瀬の合図とでも思っているのだろうか。
 まあ……あまり間違ってもいない気もするのだが。


「今日は休業日だよ。人里で収穫祭があるからね」
「ええ、そうみたいね」


 頷く幽々子。
 食料を外の世界に依存しているとは言え、幻想郷でも農耕は行っている。
 毎年この時期になると盛大に収穫祭が行われるのだ。人里に神を呼んで。


「少し前までは客で賑わっていたんだが」
「本当かしら」
「本当だとも。ぜひ君にも見せてやりたかったな」
「そう。また今度機会があったらお願いするわ」
「……ああ、今度ね」


 霖之助は苦い顔で肩を竦めた。
 客で賑わっていたのは事実である。
 外の世界の肥料や収穫の道具など、あれば便利なものがある道具屋がここ香霖堂なのだから。

 ただし収穫が始まってしまえば道具屋のやることはないので、次賑わうのがいつになるかというと……。


「気長に待つわよ。ずっとね」
「そんなに待たせるつもりはないがね」


 霖之助の考えを読んだかのように、幽々子が微笑んだ。
 霖之助はひとつ肩を竦めると、彼女にいつもの酒を渡す。
 盃を酌み交わし……一息。


「霖之助さんは、収穫祭には行かないのかしら」
「前夜祭には出たよ。義理で、だけどね」


 本当は行くつもりはなかったのだが、霧雨の親父さんに誘われては断れない。
 久し振りの人里の宴会だったが、宴会はやはりどこに行っても宴会である。


「前夜祭、ねぇ。今日が本番でしょうに」
「騒がしいのは苦手なんだよ。やはり静かに呑むに限るね」
「ふふ、霖之助さんらしいわ」


 そう言って、幽々子は呆れた笑いを漏らす。
 そんな彼女に、今度は霖之助が質問を投げかけた。


「そう言う君は参加しないのかい?」
「亡霊の私には収穫祭にふさわしくないわ。収穫は輪廻の象徴だもの」


 幽々子はゆっくりと首を振る。
 確かに言われてみればその通りかもしれない。
 聞けば、永遠亭の姫達も収穫祭には参加しないらしい。
 験担ぎは大事なのだろう。


「豊穣の神は、呼ばれてたみたいよ。
 あと死神もかしら。
 まあ、死神は呼ばれなくても行きそうだけど」
「……まあ、そうだろうね」


 死神の鎌は、場合によって草刈鎌を描かれることもある。つまり刈り取りと密接に関係しているわけで、収穫祭にはふさわしい客と言えるだろう。


「でも、妖夢を置いてきたわ。
 今頃かなり呑まされてるんじゃないかしら」
「ああ……」


 その様子がはっきりと思い浮かび、霖之助は思わず笑みを零した。


「それにしても、半霊半人は構わないのかな」
「いいんじゃないかしら。楽しければ」


 姫は不参加だが、永遠亭の兎達は参加するそうだ。なるほど、幽々子の言う通りなのかもしれない。

 そしてしばらくの間、連日宴会が開催されるのだろう。
 前夜祭から霊夢も参加していたようだ。
 魔理沙は……行かないだろう。今頃珍しいキノコを探して森を歩いているはずだ。


「後夜祭が終わっても、何かにつけて騒ぎたがるだろうね。
 何日か後には、霊夢たちがうちに来るかもしれないな、宴会しに」
「あら、じゃあ今のうちかしら」


 霖之助の言葉に、幽々子は首を傾げた、


「……何か用でもあるのかい?」
「ええ、ちょっとね」


 そう言って彼女は、すすす、と霖之助に近づき、耳元で囁く、


「霖之助さんを花見に誘おうと思ってるのよ」
「花見かい?」


 霖之助は空を見上げた。秋の空を。
 秋の月見や紅葉狩りはよく聞くが、花見はあまり聞いたことがない。
 当然だろう。この場合の花は、桜を指すのだから。


「約束でしょ? 誘われたら行くって」
「……まあ、まだ今年のうちだけどね」
「そう言うこと。じゃあ……」


 幽々子が笑う。いつも通りの、楽しげな表情で。


「連れて行くわね、霖之助さん」


 その言葉を最期に。
 霖之助の意識は、闇に落ちた。


   ☆


 気が付いた時には、景色が変わっていた。
 どこかの屋敷だろうか、広々とした和室が目に入る。


「冥界へようこそ、霖之助さん」


 その部屋の中心で、幽々子が微笑んでいた。いつもと変わらない笑顔。
 だが彼女は確かに……冥界と言った。


「言ったでしょう? 私がその気になれば、いつでも連れて行けるって」
「……ああ……」


 曖昧に頷きつつ、霖之助は自分の身体を確認する。
 冥界に連れてこられたということは幽霊になっているのかと思ったが、肉体に近い感覚があるようだ。感覚も思考もいつも通り。


「……ちゃんと帰してくれるんだろうね」
「あら、落ち着いているのね。もっと怒るかと思ったわ」
「怒らせるようなことをしたという自覚はあったのか。まあ、騒いだところで事態が変わるとも思えないし」


 それに下手に行動すればずっとこのままという可能性もある。
 いや、最悪地獄行きだろうか。さすがにそこまでの横暴はないと考えたいが。


「……僕の身体はどうなっている?」
「今頃幽霊たちが香霖堂の布団に放り込んでいるところよ。
 身体が目覚めると、霖之助さんも向こうに戻るわ」
「そうか、なら……特に問題はないな」


 その言葉を聞き、霖之助は安堵のため息を漏らす。
 となればあとはこの状況を味わえばいいだろう。
 臨死体験など滅多に出来ることではない。いや、この場合幽体離脱だろうか。


「もう少し驚いてくれないとつまらないわ」


 霖之助の返答に、拗ねたように幽々子が呟く。


「君を楽しませるたびに死んでたら、文字通り命がいくつあっても足りないよ」
「あら、ケチね」
「商人たるもの、ケチで結構」


 自信たっぷりに頷く霖之助に、幽々子は肩を竦めた。


「今の貴方は亡霊に近い存在になっているわ。
 私と似たようなものね」
「なるほど、身体の感覚があるのはそのせいか」
「ええ、そんなところよ」


 状況が把握できたので、霖之助は改めて彼女に視線を向ける。


「それで、どうしてこんなことをしたんだい?」
「あら、言ったじゃない」


 幽々子はその言葉を待っていたかのように、部屋の端へと移動した。
 そして障子に手をかけると、一気に開け放つ。


「お花見をしましょう、霖之助さん」


 秋の風が部屋の中に舞い込んできた。
 目の前に広がるのは、一面の桜色。





「これは……秋桜か」


 思わず感嘆のため息を漏らす。
 庭に広がるのは、周囲一帯に咲き乱れる秋桜のようだ。


「ええ。貴方のために咲いたのよ」


 そう言って、幽々子は霖之助へと振り返る。


「気に入ってくれたかしら?」
「……ああ」


 霖之助はただ頷いていた。
 言葉も出ない、とはこのことだろう。


「どうぞ、霖之助さん」
「ありがとう。いただくよ」


 幽霊が持ってきた酒を受け取り、口を付ける寸前……ピタリと動きを止める。


「冥界の料理を食べると帰れなくなるという話があったが……」
「あら、そちらのほうが好みだったかしら。私は一向に構わないのだけど」
「僕が構うよ」


 困った表情を浮かべる霖之助を見て、幽々子は笑う。
 ……からかっているのだろう。


「大丈夫よ。妖夢に買ってきてもらったの。ちょうど収穫祭で安かったから、多めにね」
「その妖夢は今頃祭りを楽しんでるかな」
「どうかしら。酔ってはいると思うけど」
「酒は呑んでも呑まれるなと言うがね」


 霖之助は改めて、幽々子から貰った酒に口を付けた。
 つまみもいろいろと用意されていたが……それらには手を付けず、眼前に広がる秋桜を見て酒を呑む。


「静かだ……」


 幽霊の声を聞くことが出来ない霖之助にとって、冥界はほぼ無音の世界だった。
 聞こえてくるのは風に揺れるざわめき。それと……幽々子の声。


「これが冥界か」
「ええ、死後の世界よ。最近はたまに霊夢とかも来るけどね。花見しに」
「死後の世界が、聞いて呆れるな」
「その時ばかりはさすがに騒がしいわ」
「それはそうだろう。で、普段は……」


 霖之助はそこで言葉を切ると、冥界を見渡した。
 静寂に満ちた幽玄たる世界。


「気に入ったかしら?」


 幽々子は霖之助の顔を覗き込むように見つめてきた。
 少しだけ声に不安そうな響きが含まれていたのは……気のせいだろうか。


「……いつでも来ていいのよ」
「それは遊びにかい? それとも定住かい?」
「あら、それはもちろん……」


 その先は、何も言わなかった。
 霖之助もあえて聞かないでおく。
 下手に藪を突くわけにもいかないだろう。


「たまになら、構わないかな」
「…………」


 幽々子は何も言わず、ただ笑っていた。
 どうせいつかは来ることになるのだ。
 予行演習と思えば問題無い。


「少し、庭に出ていいかな?」
「ええ」


 霖之助は草履を借りると、白玉楼の庭を歩く。
 かるか彼方に見える地平線。
 今の冥界は地獄より広い、と言う話を聞いたことがあるが、これを見ると納得せざるを得ない。


「西行妖の開化もいいけど、こういうのも素敵でしょ?」


 桜色の絨毯は、どこまでも広がっていた。
 これが全て秋桜かと思うと感動すら覚える。


「……これは妖夢が育てたのかい?」
「いいえ」


 幽々子はゆっくりと首を振る。
 疑問に思った霖之助は、続く言葉を待った。


「今日のために、咲いてもらったのよ」


 そこでふと気付く。
 そう言えば……先ほどから、幽霊の姿をひとつも見ていないことに。


「まさか」


 霖之助は秋桜へ視線を向けた。
 この世の物とは思えぬ美しさ。命の灯を持たぬそれらに、霖之助は思わず背筋が寒くなる思いがした。


「ね? 美しいでしょう?」


 幽々子が笑う。
 これら全て……幽霊が形を変えたものだと。
 今日のためだけに、形を変えたのだと。
 改めて幽々子の力を目の当たりにし、霖之助は苦笑を漏らした。
 もはや桁が違いすぎて笑いしか出ない。


「秋桜、か」


 コスモスとはギリシア語で世界、宇宙、秩序を意味する言葉だ。
 宇宙とはそれぞれの精神……気質とも取れる。
 気質の固まりたる幽霊が秋桜になることは必然だったのではないだろうか。


「変なこと考えてるでしょう」
「いや、別に」


 可笑しそうな幽々子に、霖之助は首を振った。
 つまりこれら秋桜の花の色は、それぞれの幽霊の色ということだろうか。通りで……美しいはずだ。
 どちらにしろ幽霊の形など不定のものだ。
 秋桜の形を取らせたところで、何も問題はないのだろう。


「これが君の見ている世界か……」


 歩きながら、霖之助はため息を吐いた。


「なるほど。素晴らしいね」
「……ありがとう」


 そう呟いた幽々子の表情を見ることは出来なかった。
 だが、霖之助には何となく予想できた。だからこそ、言葉を続ける。


「次は僕の世界を見せられたらいいな」
「ええ。期待して待ってるわ」


 笑顔で答える幽々子は、しかしすぐに残念そうな表情を浮かべる。
 その理由はすぐに霖之助も知ることが出来た。
 身体の目覚めが近いのだろう。


「そろそろ、お別れの時間かしら」
「そのようだね。ふむ、名残惜しいが……」
「また連れてくるわよ。すぐにね」
「その時は前もって連絡を頼むよ」


 そう言って、肩を竦める。
 冥界に来ること自体はいいとして……やはり突然は困る。心の準備とか、いろいろが。


「そう言えば、秋を愛する人は何なんだい?」
「ん~……私と霖之助さん……だったらいいんだけど」


 なにやら考えていた幽々子は、突然顔を上げ、尋ねてくる。


「ねぇ霖之助さん。私のこと好き?」
「ああ、君が僕のことを想っているくらいにはね」
「あら、そうなの?」


 予想外だったのだろうか。
 霖之助の返答に、幽々子は驚いた顔を浮かべる。


「それじゃあ結婚するしかないわね、霖之助さん」


 秋桜畑で、幽々子は霖之助を見送った。
 すぐにまた、会いに行くから。そう約束を交わして。

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非公開コメント

No title

「秋を愛する人は心深き人、愛を語るハイネのような僕の恋人」ですからねぇ。
そりゃ幽々子様が霖之助を想うくらいに好きなら結婚するしか有りませんよねwww
雪見・花見・BQ&花火とそれぞれの季節を満喫しながら幽々子と過ごす1年がとても
風流でした。

・・・しかし珍しく霖之助が冬の寒さを満喫しているときに限って雪女が現れないなんて・・・
なんとも不憫な娘ですねwww

No title

ゆゆりんは風流!
しみじみと楽しめました。

No title

あゝいい作品を読んだなぁ

No title

たがいに好きあって、ふと、四季のうつろいを確かめるように出会い(密会的な意味で)、
お酒を飲んだり、花を見たり、語り、ふれてみる。
ただそれだけのことが、どうしてこんなに艶やかなのか!さすが幽々霖!w

カップリングを考えるとついついべったりを軽く上回る状況をイメージする性質なので、
こういう心の(むしろ霊魂の?)つながりって、いいなぁと思います。

「騒がしいのは苦手なんだよ。やはり静かに呑むに限るね」の所から下が読めません。携帯の表示容量も限界があるので、長い話をUPする時は分割して頂けると有難いです。半月の話も途中から読めませんでした。

冥界組でも
妖霖はよく見かけますが
幽々霖は意外と
少なかったりしますよね

幽々霖の話は
どうも儚い雰囲気あるので
ここは心機一転
明るい感じの話を
読んでみたいですな
プロフィール

道草

Author:道草
霖之助がメインのSSサイト。
フラグを立てる話がメインなのでお気を付けください。
同好の士は大ウェルカムだよね。
リンクはフリーですが、ご一報いただけたら喜びます。

バナーはこちら。

<wasre☆hotmail.co.jp>
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ついったー。

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